でも、 胸の奥から別の気持ちが顔を出しました。
どうして今さら登録したんだろう。
どうして、わたしを見つけたんだろう。
赤ちゃんは、彼女はどうなったんだろう。
何が言いたかったんだろう。
知りたい。
その気持ちが、少しずつ大きくなっていきます。
「ダメ⋯」
小さく呟いて首を振りました。
でも。
指は画面から離れません。
何十秒も。
何分も。
画面を見つめ続けました。
そして。
わたしは小さく息を吸うと、
震える指で、
「いいねを受け入れる」
を押してしまったんです。
すると、すぐにメッセージが届きます。
「久しぶり」
その文字を見た瞬間、息が止まりそうになりました。
続けてメッセージが届きます。
「マッチングアプリ登録したら、なながいてびっくりした
思わずメッセージしちゃった」
わたしは画面を見つめたまま動けませんでした。
裕太から連絡が来るなんて、もう二度とないと思っていたからです。
LINEは、わたしがブロックして削除しました。
もう終わった関係。そう思っていたんです。
少しすると、またメッセージが届きました。
「LINEブロックされてるの気付いたよ
だから連絡する方法なくてさ」
その一文を読んで、胸の奥がザワッとしました。ブロックしたこと、ちゃんと気付いていたんだ。
当たり前と言えば当たり前です。
でも、改めて本人の口から言われると、不思議な気持ちになりました。
わたしはしばらく画面を見つめたまま迷います。
返信しない方がいい。
その方がいいに決まってる。
今のわたしには佐藤さんがいます。
佐藤さんと未来を歩いていきたい。
そう思っているはずなのに。
指は勝手に動いていました。
「久しぶり」
送信。
たった四文字。
それだけなのに、胸が苦しくなります。
すぐに既読が付きました。
そして裕太から返ってきたのは
「返信くれてありがとう」
「元気そうで良かった」
その一文でした。
画面を見ながら、わたしは小さく息を吐きます。
もう終わった恋。
そう思っていたのに。
終わったはずの人が、また目の前に現れたんです。
次回へ続きます。
今回も読んでくれてありがとうございます。