佐藤さんとゆっくりLINEをしながら、一人でお茶を飲みながらのんびりと、食事会のことを考えながら、何となくスマホを触っていると、またマッチングアプリの通知が届きました。
ふと画面を見ると、そこに表示されていた名前は
「裕太」
でした。
思わず苦笑いしてしまいます。
また裕太。
本当に多い名前なんだなぁ。
本名の人も多いし、アプリだけの偽名で使う人も多いのかもしれません。
そんなことを思いながら、何気なくアプリを開きました。
そして次の瞬間、わたしの時間が止まったんです。
「⋯え?」
そこに表示されていた写真。
年齢。
身長。
住んでいる場所。
職業。
全部。
全部、わたしが知っている裕太でした。
「嘘でしょ⋯⋯」
思わず小さく声が漏れます。
何度見ても間違いありません。
元彼の裕太。
どうして。
どうしてここにいるの?
心臓がドクドクと音を立て始めました。
画面には
「いいねを受け入れる」
というボタンが表示されていました。
指が止まります。
押したら、裕太とまた繋がってしまう。
でも、押さなければ何も始まらない。
わたしには佐藤さんがいます。
この前も
「今度は三人で来よう」
そう未来を話してくれた人です。
ディナークルーズとプレゼントまで用意してくれた人です。
そんな人がいるのに。
何を迷ってるの。
自分でもそう思いました。
このままアプリごと消してしまえばいい。
そうすれば全部終わる。
次回へ続きます。