山本さんは、わたしを見ながら優しく笑いました。「佐藤くんね、本当に彼女できないのかなって、職場でもみんな心配してたの
だから今日見つけた瞬間『やっとだ!』って思っちゃった」
その言葉に思わず笑ってしまいます。
「そんなにですか?」
「そうそう、女性に全然ガツガツしないし、仕事ばっかりだから、このまま一人なんじゃないかって、みんなで勝手に心配してたのよ」
隣で佐藤さんは苦笑いしています。
「余計なお世話ですよ。」
そう言う姿がおかしくて、四人で笑ってしまいました。
その時でした。
さっきまで静かだった男の子が、急にわたしの足元までトコトコ歩いてきたんです。
小さな手でわたしの服をちょんちょんと引っ張ります。
「どうしたの?」
しゃがんで目線を合わせると、男の子はニコッと笑って
「おねえちゃん!」
そう言いました。
その一言が可愛くて、思わずみんなで笑ってしまいます。
山本さんも笑いながら
「あら珍しい、この子、人見知りすることもあるのに」
そう言いました。
男の子はわたしの顔をじっと見つめたあと、今度は佐藤さんの方を見て
「おとうしゃん?」
そう言ったんです。
一瞬、時間が止まりました。
そして次の瞬間
「違う違う違う!」
佐藤さんが慌てて否定し、わたしも吹き出してしまいました。
山本さん夫婦も大笑いです。
「ごめんごめん!タイミングが良すぎる!」
店員さんに夫婦と間違われた直後だったこともあって、笑いが止まりませんでした。
佐藤さんは顔を真っ赤にしながら
「今日は勘違いされる日ですね」
そう言って照れ笑いを浮かべます。
その表情が何だか可愛くて、わたしまで笑顔になってしまいました。
次回へ続きます。
今回も読んでくれてありがとうございます。