「えー!佐藤くん、彼女いたの!?」
山本さんは目を丸くしながら、わたしたちを交互に見ました。
佐藤さんは苦笑いしながら頭をかきます。
「はい、そうなんです」
その返事を聞くと、山本さんは
「そうだったんだー!」
と、とても嬉しそうに笑いました。
「いやもう、本当にビックリした!」
その隣では、ご主人もニコニコしています。
「佐藤くん、全然そんな話しないからね
会社のみんな驚くよ」
そう言われて、佐藤さんは少し照れたように笑いました。
「まだ付き合ったばかりなので」
その言葉を聞いた山本さんは、わたしの方へ向き直ります。
「初めまして、佐藤くんと同じ職場の山本です」
わたしも慌てて頭を下げました。
「初めまして、高橋ななです」
山本さんはにっこりと笑います。
「いつも佐藤くんにはお世話になってるのよ
佐藤くん、本当に真面目だから
会社でも優しいし、困ってる人がいたら放っておけないタイプみたいで」
その言葉を聞いて、思わず佐藤さんを見ると、本人は恥ずかしそうに笑っていました。
「そんなことないですよ」
そう言う佐藤さんに、山本さんはすぐに首を横に振ります。
「いやいや、本当なの
会社でもね、みんなが面倒くさいって言う仕事でも、佐藤くんは文句ひとつ言わないの
しかも頼まれたら断れないタイプ、だから心配になるくらい優しいのよ」
ご主人も隣で笑いながら頷きます。
「家でもよく名前が出てくるもんね
今日も佐藤くん頑張ってた、とか」
その言葉に、佐藤さんはさらに照れくさそうに笑いました。
「やめてくださいよ」
耳まで少し赤くなっているように見えます。
わたしはそんな佐藤さんを見ながら、少しだけ嬉しくなりました。
付き合ってまだ日も浅いわたしが知らない佐藤さん。
職場での姿。
周りの人から見た佐藤さん。
それを知ることができた気がしたんです。
次回へ続きます。
今回も読んでくれてありがとうございます。