わたしはスマホを握ったまま、しばらく動けませんでした。
会ってみたい。
その言葉だけでも十分驚いたのに、もう一通届いていたLINEにはこんなことが書かれていたんです。『あと、実は母には、ななさんのこと少し話しています😊』
え⋯?思わず画面を見つめました。
少しって、どこまで?すると、佐藤さんから続けて届きます。
『年齢のことも、妊活を考えていることも、体のことも』
その瞬間、心臓がドクンと大きく鳴りました。
思わずスマホを持ち直します。
そこまで話したの⋯?
正直、少しだけ怖くなりました。
まだ会ってもいないのに。
そんな大事なことまで話してしまったんだ。
そう思ったんです。
でも、その次の一文を見た瞬間、わたしは言葉を失いました。
『母が、そんな女性だからこそ、応援したいねって言ってました😊』
涙が滲みました。
何度も読み返します。
"そんな女性だからこそ"その言葉が胸に刺さりました。
今までわたしは、子宮内膜症だと言うたび、四十歳だと言うたび、妊活したいと言うたび、
「重いと思われるんじゃないか」
「引かれるんじゃないか」
そんなことばかり考えていました。
だから隠さず話すのも、すごく勇気が要りました。
それなのに、会ったこともない彼の母親が顔も知らないわたしに、応援したい。
そう言ってくれた。
その事実が、ただただ嬉しかったんです。
気付けば、目から涙がこぼれていました。
嬉し涙なんて、いつ以来だろう。
すると佐藤さんから、またLINEが届きます。
『もちろん無理に会う必要はありません😊ななさんのタイミングで大丈夫です
僕は急がなくていいと思っています』
わたしの気持ちを一番に考えてくれる人です。
わたしは涙を拭いて、ゆっくり返信します。
『ありがとう😊すごく嬉しかったです
いつかご挨拶させてください』
送信ボタンを押したあと、不思議なくらい心が軽くなりました。
この人となら
この家族となら
もしかしたら、本当に未来を考えてもいいのかもしれない。
そんなことを、初めて思えた夜でした。
次回へ続きます。