Fさん。

一瞬、見間違いかとも思いました。

別れてから、一度も連絡はありませんでした。

最後の時、電話を切ったのはわたしです。


「もう連絡することもないから、じゃあね」

そう一方的に電話を切って。

そのあと、わたしは声が枯れるくらい泣きました。


本当は電話を切ったあとも、どこかで期待していたんです。

「待って」そう言って電話を掛け直してくれるんじゃないか。

もう一度話そうと言ってくれるんじゃないか。

泣きながら何度もスマホを見ました。

でも電話は鳴りませんでした。

LINEも来ませんでした。

だから、あの日で本当に終わったんだと思っていました。


そんなFさんから、突然届いたLINE。

わたしは少しだけ深呼吸をしてから開きます。


『急にごめん』

その一言だけでした。

わたしは少し迷いました。

返信していいのかな。

でも、嫌な気持ちはしませんでした。

もう恋愛感情はありません。


ただ、ちょっと前に大切だった人。

そんな存在になっていました。

わたしは返信します。

『お久しぶりです』

数分後、返信が届きました。

『元気そうで良かった』

たったそれだけでした。


その一文を見た瞬間、不思議と肩の力が抜けたんです。

昔だったら、この一言だけじゃ物足りないと思っていたかもしれません。

でも今は違いました。

それだけで十分でした。


次回へ続きます。


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