「わたし⋯子どもが欲しいんです」

その一言を口にした瞬間、部屋の空気が少し変わった気がしました。

もう少しでもオブラートに包んで言った方が良かったかもしれないと思ったけれど、ストレートが一番伝わりやすいと思ったので、そう言いました。


「知ってると思いますけどわたし四十歳なんです」

「子宮内膜症もあります」

「この前の検査でも色々言われて……」

ゆっくり言葉を選びながら話しました。


「だから正直、時間があまりないと思っています」佐藤さんは一度も口を挟まず、ただ静かに聞いてくれていました。


「普通は結婚して、それから子どもって順番なのかもしれません」

「でも、わたしはその順番にそこまでこだわっていません」

少し息を吸います。


「もし本当に将来を考える相手なら⋯」

「赤ちゃんが先でもいいって思っています」

言い終わると、部屋は静かになりました。

こんな話、重いよね。

まだ付き合ったばかりなのに。

そう思って、少し俯きます。


でも、隠したまま付き合う方が嫌だったんです。

わたしは佐藤さんの返事を待ちました。


次回へ続きます。



今回も読んでくれてありがとうございます。

次回は、わたしの本音を聞いた佐藤さんの返事は、予想もしないものでした。


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