家に帰り着いたわたしはスマホをテーブルに置いて、横になり目を閉じました。
何とも言えない気持ちでした。
せっかく佐藤さんと付き合うことが出来たのに。
せっかく前へ進めたのに。
どうしてこんな気持ちになるんだろう。
でも、しばらく考えているうちに少しだけ冷静になったんです。
時間は待ってくれません。
わたしには妊活があります。
年齢もあります。
子宮内膜症のこともあります。
いつまでもあの人のことで立ち止まっている場合じゃない。
そう思いました。
そして、ふと佐藤さんの顔が浮かんだんです。
真面目で。
優しくて。
少し不器用で。
三回会ったのに、いまだにどこか初々しい。
恋愛経験は片思いは何度かあると言っていましたが、付き合ったのはわたしの前に一人だけ。
そして肉体関係は、元彼女と別れてやけを起こして行った風俗一回だけ。
だから思うんです。
これから先、手を繋いだり、もっと距離が近くなったり、そういうこと全部、佐藤さんは一つ一つ緊張するのかもしれない。
でも、それも悪くないなと思ったんです。
わたし達なりのペースで進めばいい。
そう思いました。
そして次に会った時は、ちゃんと話そうとも思いました。
妊活のこと。
赤ちゃんが欲しいこと。
年齢的に焦りがあること。
そして正直に言えば、わたしは結婚してから子どもという順番に、そこまでこだわっていないこと。
先に赤ちゃんが出来てもいいと思っていること。
全部ちゃんと話そうと思いました。
もし本当に将来を考える相手なら、そこから逃げちゃいけない気がしたんです。
そんなことを考えながら眠りにつきました。
そして翌朝。
目を覚ますとLINEの通知が来ていました。
裕太でした。
『昨日なんで返事くれなかったの?』
胸が少しだけざわつきます。
でも、それだけでは終わりませんでした。
数分後。
また通知が届いたんです。
『昨日誰と居たの?』
わたしは思わずスマホを見つめました。
嫌な予感がしました。
そして、その予感は外れなかったんです。
次回へ続きます。

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