裕太でした。

『今どこ?』

わたしは画面を見つめます。

少し前なら嬉しかった。

きっと飛び上がるくらい嬉しかったと思います。

でも今は違う。

わたしにはもう彼氏、優しい佐藤さんが居る。

つい数十分前に付き合うことになったばかりの彼氏が。

それなのに、それなのに胸がざわついたんです。

わたしは返信しませんでした。


スマホを伏せます。

でも数分後、また通知が届きました。

『何してる?』

胸が苦しくなります。

どうして今なんだろう。

どうしてタイミング良く来るんだろう。

わたしは大きく息を吐きました。


そして気付きます。

付き合ったことを、まだ裕太に言いたくないと思っている自分が居ることに。

言えば終わる。

本当に終わる。もう今までみたいな関係では居られなくなる。

そう思った瞬間、怖くなったんです。


佐藤さんと付き合った。

前を向こうと決めた。

そのはずなのに。

わたしはまだ裕太を手放したくないと思っていました。

本当に最低だなと思います。

佐藤さんにも失礼です。

でも、それが本音でした。


気付けばスマホを握りしめていました。

わたし、本当に新しい彼氏が出来たんだよね。

なのに、どうしてこんな気持ちなんだろう。


次回へ続きます。


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