『お疲れ様』
それだけでした。
わたしは画面を見つめます。
続きが来るかもしれない。
そう思いました。
でも来ません。
一分。
二分。
五分。
何も来ません。
結局わたしから送ります。
『MRIで境界悪性って言われてびっくりした』
しばらくして返事が来ました。
『そうなんだ』
それだけ。
わたしはスマホを見つめたまま動けませんでした。もちろん心配していないわけじゃないのかもしれません。
忙しいのかもしれません。
たまたまなのかもしれません。
でも昨日の夜
『終わったら連絡して』
『待ってるから』
そう言っていた人とは思えませんでした。
病院の結果を伝えた時。
わたしが本当に欲しかった言葉。
それをくれたのは佐藤さんでした。
そして、わたしがずっと待っていた人は思っていたより、わたしのことを見ていなかったのかもしれない。
そんな考えが頭をよぎります。
スマホには二つのトーク画面。
一方には、わたしの体を気遣う言葉。
もう一方には、短い返事だけ。
分かりやすいくらい違いました。
なのにそれでも、わたしの心はまだ、後者の方を気にしているんです。
本当に厄介だなと思いました。
そしてその瞬間、佐藤さんという存在が、今までより少しだけ大きく見えたんです。
次回へ続きます。