心臓が大きく鳴りました。

ずっと“今回も大丈夫”と思い込もうとしていた気持ちが、一気に崩れました。


その時、診察室のドアが開きます。

先生が入ってきました。

わたしは慌ててパソコンから目を逸らします。


先生は椅子に座り、MRI画像を確認しながら話し始めました。

「ああ、これですね」

わたしは緊張したまま頷きます。

そして恐る恐る聞きました。

「境界悪性って書いてあったんですけど……」


先生は画像を見ながら説明してくれました。

「この辺りに少し水っぽく見える部分があるんです」

画面を指しながら続けます。


「だから完全に良性とは言い切れないんですよ」

その言葉に胸がざわつきました。

でも先生はすぐに続けます。

「ただ、私としてはほぼ良性だと思っています」

思わず力が抜けました。


先生はさらに説明します。

「可能性の話をすれば、子宮内膜が少し厚くなっている部分があります」

わたしは黙って聞いていました。

「なので、そこに悪性のものが絶対にないとは言い切れません」

また心臓が鳴ります。


「ただ、今見えている範囲では悪いものがあるような印象はないですね」

そして先生は少し笑いながら言いました。

「本当に白黒はっきりさせるなら手術して開けてみるしかありません」

わたしは小さく頷きます。

「でも現時点でそこまでする感じではないです」

その言葉を聞いて、ようやく呼吸ができるようになった気がしました。


もちろん安心しきれたわけではありません。

境界悪性。

その言葉は今のわたしには重かった。

でも少なくとも今すぐどうこうという話ではない。それだけで十分でした。