佐藤さんへの返事はまだです。
でも裕太には返したい。
そう思ってしまう。
そして、その事実が苦しかったんです。
わたしはスマホを置いて深呼吸しました。
落ち着け。
ちゃんと考えろ。
そう自分に言い聞かせます。
でも数分後にはまたスマホを手に取っていました。
結局、わたしは裕太に返信してしまったんです。『家でゴロゴロしてる』
送信。
すぐに既読が付きました。
そして返ってきたのは
『そっか』
『俺も』
でした。
思わず笑ってしまいます。
本当に意味のない会話です。
でも、その意味のない会話が心地良かった。
付き合っていた頃もそうでした。
特別な話なんてしていない。
何でもない話をして。
何でもない時間を過ごして。
それだけで幸せだったんです。
だから危険でした。
わたしは気付き始めていました。
裕太への気持ちが全然消えていないことを。
全然消えていないどころか我慢した分、以前よりも大きくなっている気さえしました。
そんな時でした。
裕太から新しいメッセージが届いたんです。
『なな』
『今週どこかで会えない?』
その文字を見た瞬間、胸が大きく跳ねました。
次回へ続きます。