表示された名前を見て、わたしの心臓は大きく鳴りました。
裕太でした。
たった数秒前まで、わたしは佐藤さんのメッセージを見ていたんです。
『次のお休み、一緒に出掛けませんか?😊』
優しい誘いでした。
嬉しくないわけじゃありません。
実際、また会いたいとも思っていました。
それなのにスマホが震えた瞬間、わたしの意識は全部そちらへ持っていかれてしまったんです。
最低だなと思いました。
本当に。
佐藤さんは何も悪くありません。
むしろ良い人です。
それは十分過ぎるほど分かっています。
でも、分かっていることと、心が動くことは別でした。
わたしは裕太のトーク画面を開きます。
『今、何してる?』
たったそれだけでした。
本当に何でもないメッセージ。
でも、その一言を見ただけで嬉しくなってしまった自分が居ました。
嫌になります。
わたしはしばらく画面を見つめました。
次回へ続きます。