裕太は続けました。

「あと、深夜に二人でコンビニ行った時」

「あったね」

「アイス買いに行ったのに、ななが余計なもの買い過ぎて」

「余計じゃないし」

「カゴいっぱいだったじゃん」

「裕太もポテチ三袋買ってた」

また二人で笑いました。


懐かしかったんです。

本当に。

付き合っていた頃。

同棲していた頃。

何でもない毎日。

何でもない会話。

何でもない幸せ。

その全部を思い出していました。


そして気付けば、電話を切る頃には一時間近く経っていたんです。

さっきまで感じていた距離が、少しだけ消えていました。

本当に少しだけ。

でも確実に。

危ない。

そう思いました。


こんなふうに昔を思い出していたら。

また裕太無しには戻れなくなってしまう。

そんな予感がしたんです。


次回へ続きます。