『なな』

『声聞きたい』

その文字を見た瞬間、心臓が大きく鳴りました。

思わずスマホを伏せます。


ダメだ。

そう思いました。

今はダメ。

これ以上近付いたらダメ。


頭では分かっているんです。

でも、数分経っても、そのメッセージが頭から離れませんでした。

声聞きたい。

たったそれだけ。

昔なら何も考えず電話していました。

でも今は違います。


色んなことがあった。

知りたくなかったことも知った。

傷付いた。

泣いた。

終わったと思った。


それなのに。

わたしはスマホを開いていました。


『少しだけなら』送信。

数秒後、電話の着信画面が表示されたんです。


次回へ続きます。