電車の窓に映る自分の顔を見ます。
情けない。
本当に情けない。
あれだけのことをされたのに。
あれだけ傷付いたのに。
香織さんのことも。
お腹の赤ちゃんのことも。
真由さんや美咲さんのことも。
全部知っているのに。
それなのに、わたしの心は裕太を求めていました。会いたい。
声が聞きたい。
触れたい。
そんな気持ちが堰を切ったように溢れてくるんです。
今まで必死にブレーキをかけていました。
信用しちゃダメ。
期待しちゃダメ。
好きになっちゃダメ。
何度も何度も自分に言い聞かせてきました。
でも、そのブレーキが壊れてしまったみたいでした。
スマホを握りしめます。
返信しようか。
しない方がいいのか。
分かりません。
ただ一つだけ確かなことがありました。
佐藤さんのことも。
未来のことも。
その瞬間のわたしの頭からは消えていたんです。
残っていたのは、裕太だけでした。
次回へ続きます。

落ち着きたい時はお茶と美味しいお菓子です!!