数分後。
『良かったです!』
『神社でお祭りみたいなのやってるそうなので、一緒に行きませんか?』
佐藤さんらしいなと思いました。
派手じゃない。
でも優しい。
わたしは了承して、数日後に会うことになったんです。
当日。
待ち合わせ場所に現れた佐藤さんは相変わらずでした。
少し緊張していて。
少しぎこちなくて。
でも真面目。
なんだか安心します。
二人で神社へ向かいました。
境内は思った以上に賑わっています。
出店も並んでいました。
しばらく歩いていると、恋みくじの看板が目に入ったんです。
「引いてみます?」
佐藤さんが笑います。
わたしも笑いました。
「こういうの好きなんですか?」
「いや、実は初めてです」
なんだか可愛くて笑ってしまいました。
二人で恋みくじを引きます。
何気なく読んでいると、相性の良い相手の欄が目に入りました。
そこに書かれていた星座を見て、思わず固まります。
佐藤さんの星座でした。
偶然です。
ただの偶然。
それなのに妙に意識してしまいました。
「どうしました?」
佐藤さんが聞きます。
「いや、別に」
慌てて誤魔化しました。
言えるわけありません。
あなたの星座でした、なんて。
その後は出店を見て回りました。
たこ焼き。
焼きそば。
チョコバナナ。
子どもみたいだなと思いながら二人で食べ歩きます。
佐藤さんは本当に普通でした。
普通に楽しくて。
普通に優しくて。
普通に一緒に居られる。
それが不思議でした。
裕太と居た時みたいなジェットコースターみたいな感情はありません。
でも、その代わり安心感がありました。
夕方になってから個室居酒屋へ入りました。
向かい側に座った佐藤さんが少し照れながら言います。
「なんか今日、すごく楽しかったです」
わたしは少しだけ笑いました。
「わたしもです」
それは嘘じゃありませんでした。
本当に楽しかったんです。
でも。心のどこかで思っていました。
もし今この瞬間。
裕太からLINEが来たら。わたしの心はまた揺れるんだろうか。
そんなことを考えてしまう自分が、少し嫌でした。
次回へ続きます。
デート前日はいつもより少しだけ念入りにスキンケアしました!!