裕太が首を傾げます。

「え?」

「そういうところ」

わたしはため息を吐きました。

「裕太っていつもその時の気持ちは本当なんだよ」裕太が黙ります。

「だから厄介なの」


遊びだったわけじゃない。

嘘をついてるつもりでもない。

でも、その時その時の気持ちを優先するから、周りが振り回される。

わたし達みたいに。


裕太は何も言い返しませんでした。

そして小さく呟きます。

「それでも好きなんだよ」

胸がドクンと鳴りました。


最悪でした。

本当に最悪です。

こんな言葉、信じちゃいけない。

分かっているんです。

頭では。

でも、心は少しだけ揺れてしまいました。

だって。

わたしもずっと好きだったから。

それが簡単に消えるくらいなら、こんなに苦しまなかった。


裕太は続けます。

「ななは?」

その言葉に、わたしはまた答えられませんでした。


好きじゃないと言えば楽だったかもしれない。

嫌いだと言えば終われたかもしれない。


でも、どちらも嘘になる気がしたんです。

だから、わたしは正直に言いました。

「分からない」

裕太がわたしを見ます。

「でも」

そこで一度言葉を切りました。


「今の裕太とはやり直せない」

裕太の表情が少しだけ曇ります。

「好きかもしれない」

「でも信用はできない」

「その二つは別だから」

裕太は何も言い返しませんでした。


次回へ続きます。



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