その瞬間。
初めてでした。
裕太の目が赤くなったのは。
でも、誰も同情しませんでした。
わたしも。
真由さんも。
美咲さんも。
香織さんも。
ただ黙って見ていました。
裕太は何かを言おうとします。
でも言葉が出ません。
しばらくして、ようやく小さく呟きました。
「そんなつもりじゃなかった」
部屋が静まり返ります。
真由さんが苦笑いしました。
「出た」
その一言でした。
でも、ものすごく重かったんです。
「そんなつもりじゃなかった」
真由さんは繰り返しました。
「便利ですよね、その言葉」
裕太は顔を上げません。
真由さんは続けます。
「騙すつもりじゃなかった」
「傷付けるつもりじゃなかった」
「嘘をつくつもりじゃなかった」
そして
「でも結果は全部同じなんですよ」
裕太は何も言えませんでした。
次回へ続きます。
最近は寝る前にホッと一息ルイボスティーを飲むことが多いです。
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