「……誰?」
部屋の空気が完全に止まりました。
女性は困ったような顔をしています。
そして。
わたし達三人と裕太を何度も見比べました。
状況が飲み込めていないみたいでした。
一番先に口を開いたのは裕太でした。
「なんで来たんだよ」
明らかに動揺しています。
わたしは初めて見る裕太の顔でした。
女性も戸惑ったように言います。
「だって連絡つかないから……」
連絡がつかない。
その言葉に真由さんが反応しました。
「連絡?」
女性はそこで初めて自分が何かおかしい場所に来てしまったことに気付いたみたいでした。
「あの……」
女性は裕太を見ます。
「この人達は?」
誰も答えません。
裕太も答えません。
すると
裕太の母親が静かに聞いたんです。
「あなたは裕太の何なの?」
女性は一瞬だけ驚きました。
でも
次の言葉はあまりにも自然でした。
「彼女ですけど……」
その瞬間、誰も動きませんでした。
時間だけが止まったみたいでした。
わたしも。
美咲さんも。
真由さんも。
母親でさえも。
何も言えません。
女性だけが不安そうに周囲を見ています。
「え……?」
そして
女性の視線がわたし達三人を順番に移りました。
「えっと……皆さんは?」
裕太が顔を覆います。
母親が椅子にもたれました。
真由さんが小さく笑いました。
でも
全然楽しそうじゃありません。
「そういうことですか」
その一言だけでした。
次回へ続きます。
諦めたくありません!
