でも全然楽しそうじゃありません。
「またその話ですか」
部屋の空気が張り詰めます。
真由さんは続けました。
「説明しようと思ってた」
「話そうと思ってた」
「落ち着いたら言おうと思ってた」
一つ一つ数えるように言いました。
そして
「それ、いつですか?」
裕太は答えられません。
真由さんはさらに続けます。
「私が連絡したから今日になっただけですよね?」
その言葉に裕太の表情が固まりました。
誰も反論しません。
できなかったんです。
だって、その通りだったから。
その時でした。
今まで黙っていた美咲さんが小さく言いました。
「私、一つだけ聞きたいです」
全員が美咲さんを見ます。
美咲さんは裕太を真っ直ぐ見ていました。
そして
「私達以外にも居るんですか?」
部屋の空気が一瞬で凍りました。
わたしも。
真由さんも。
母親でさえも。
息を止めて裕太を見ていました。
裕太は何かを言いかけます。
でも
すぐには答えませんでした。
その沈黙が、何より怖かったんです。
次回へ続きます。


