その日は裕太がわたしに
「仕事が忙しくてしばらく連絡できない」
と言っていた日でした。
なのに、投稿には楽しそうな写真が載っています。
美咲さんも気付いたみたいでした。
「あ⋯」
小さく声を漏らします。
真由さんは静かに言いました。
「私にも同じこと言ってたんです」
わたしは何も言えませんでした。
真由さんはさらに画面をスクロールしました。
二枚目。
三枚目。
四枚目。
見れば見るほど嫌な気持ちになります。
連絡が取れなくなっていた時期。
仕事が忙しいと言われていた時期。
体調が悪いと言われていた時期。
そのほとんどに投稿がありました。
しかも、誰かに撮ってもらったような写真も混ざっています。
「これ…誰が撮ったんでしょうね」
美咲さんが呟きました。
その場の空気が少し凍りました。
考えたくないことを考えてしまったからです。
もしかしたら、その時も別の誰かと居たのかもしれない。
真由さんはゆっくり息を吐きました。
「私、それで気になって調べてみたんです」
また嫌な予感がしました。
そして、こういう時の嫌な予感は大体当たります。
真由さんはバッグからもう一枚紙を取り出しました。
今度は手紙ではありません。
何かの一覧表みたいでした。
日付がびっしり書かれています。
わたしは思わず聞きました。
「それ、何ですか?」
真由さんは少しだけ苦笑いしました。
「裕太くんの言っていたことを、全部時系列に並べてみたんです」
わたしと美咲さんは同時に固まりました。
そして次の瞬間。
真由さんが指差したある日付を見て、わたしは思わず息を呑みました。
その日は――わたしが絶対に忘れられない日でした。
次回へ続きます。
今思えば違和感はたくさんあったのかもしれません。
人を見る目は本当に大事ですね。

