「今、この店の前に居るそうです」

美咲さんの言葉に、わたしは固まりました。「え?」

思わず聞き返します。


美咲さんも少し困ったような顔をしていました。「真由さんです」

スマホの画面をこちらに向けます。


そこには、今、お店の前にいますとだけ書かれていました。

わたしの心臓が嫌な音を立てます。

なんで?

どうして?

会いたいとは聞いていました。

でも、こんなに早く?

というか。もう来てるの?


「どうしますか?」

美咲さんが聞いてきました。

どうしますかと言われても困ります。

会ったこともない女性です。

しかも裕太が関係しているかもしれない女性。


会いたいような。

会いたくないような。

複雑な気持ちでした。


「美咲さんは会うつもりなんですか?」

わたしが聞くと、美咲さんは少しだけ考えました。


「本当は怖いです」

そう言いました。

その言葉に少しだけ安心しました。

強そうに見えていたけれど、この人も同じなんだと思いました。


次回へ続きます。