もしかしたら。
わたしが知らないことは、まだまだあるのかもしれません。
もしかしたら、わたしの目の前に座る女性とも妊活してたのかもしれません。
女性はバッグからスマホを取り出しました。
そして画面をこちらへ向けました。
「これを見てほしくて」
そこには裕太とのLINEが映っていました。
わたしは何気なく画面を見ました。
でも次の瞬間、目が止まりました。
見覚えのある言葉が並んでいたからです。
「大丈夫」
「無理しなくていいよ」
「俺は味方だから」
どこにでもある言葉かもしれません。
でも、わたしも同じような言葉を何度も言われたことがありました。
女性は苦笑いしました。
「最初は偶然だと思ったんです」
そう言ってスマホをスクロールします。
次々とメッセージが表示されました。
将来の話。
一緒に行きたい場所の話。
大切に思っているという言葉。
わたしだけに言ってくれていると思っていたことが、そこにはたくさん並んでいました。
胸の奥がざわざわしました。
女性は少し迷ったあと、今度はバッグから一枚の紙を取り出しました。
折りたたまれた手紙でした。
「これも見ますか?」
わたしは嫌な予感しかしませんでした。
手紙を開くと、そこには裕太の字が並んでいました。
気持ちを綴った手紙でした。
わたしは途中で読むのをやめました。
次回へ続きます。