「はい、ありがとうございます」
ありがとうございますなんて言葉で正しかったのか分からないし、気の利いた言葉でなくても普通の言葉すら出てこなかった。
「今日がお通夜で明日がお葬式です、15時出棺ですので、ななさんもその時間に息子のことを考えて頂けるときっと息子も喜ぶと思います」
彼のお父さんは落ち着いて気丈に話しているけれど、所々で声が震えている。
「はい、15時ですね、その時間は息子さんのことを考えています」
「はい、息子もきっと喜びます、あと携帯も解約せずに残しておくのでななさんも時々息子にLINEしてあげてください」
彼の父のこの言葉にはわたしも救われた。
「はい!します」
「それではお元気で、ななさんは幸せになってくださいね、失礼します」
電話を切った後、彼は本当にもう居ないんだと言う事実を突きつけられた。
席に戻るとFさんが居た。
こうやって周りにいる人間って移り変って行くんだなぁ、わたしが死ぬまでにあと何度移り変わるんだろう、にしても自殺なんてのは当たり前だけどこれで最初で最後がいいと思った。