「裕太とお付き合いされてた、ななさんですよね」


「初めまして、はい、そうです」

そう言いながらFさんに手でごめんのポーズを取ると、わたしは店の外へ移動した。


一気に酔いがさめて冷静になった。


彼の母のときのようにまた罵倒されることを予想してしまったがそんなことはないとすぐにわかった。

彼の父は穏やかな口調だ。


「裕太の母から手紙と二人の思い出の品が入った封筒は届いたでしょうか?」


「はい、届きました」


「では⋯もうご存知なんですね⋯裕太が亡くなったことは⋯」


「はい⋯あの本当なんでしょうか?⋯あの手紙を読んだんですけどわたしまだ信じられなくて」


「そうですよね突然のことで驚かれたと思います、私たちも突然のことでまだ現実が受け止められない部分があります、ですが本当なんです」

彼の父は少し声を震わせていた。


「そうなんですね⋯」

わたしはその一言しか言えなかった。


「あの⋯裕太の母からの手紙になんて書いてあったか分かりませんが、ななさんもあまりご自分を責めないでくださいね、裕太が亡くなったのは誰のせいでもありませんから、もちろん裕太のせいでもない」

語気を強めた感じがした。

ななさんもということは彼の父もまた自分を責めたのかと思いました。


続きます