宿便排泄研究家の尾藤章先生の体験より

この砂療法をはじめてなさってその効果を世に紹介して下さったのは、宿便排泄研究家の尾藤章先生ですが、先生の体験からのおすすめをご紹介しましょう。

 

 

  土に寝て蚊がくわない

 

 

昭和二十四年頃でしたか、裏の畑の土の中に、首だけだして寝ました。この畑は蚊がひどいところでした。朝八時から午後四時まで八時間寝ているのに一匹も蚊がきませんでした。

 

又もう1つ不思議なのは、暑い太陽の直射をさけるためにポポーという木の下に寝たのですが、二~三日するとこのポポーの実が落ちはじめ、四~五日のうちに何百という果実が一つ残らず落ちてしまいました。

 

そこでいつか西式健康法の西勝造先生から、人体から発散するガス体は十三種類もあると伺った事を思い出しました。そこでこれは相当強いガスが、土の中に寝ると出るのではないかと思いました。だからやぶ蚊でも近づけないし、そのためにポポーの実もおちたのではないかと・・・・・唯土の中に寝るだけで、毒素が出たらこれはすばらしい療法だと考えました。

 

 

 

  子宮癌・子宮筋腫には偉効

 

それから二~三年たって、医者も薬も嫌いという婦人で、喀血して頭も上がらないという病人を、何とかしてくれと頼まれて、どうしようもなく、とにかく土療法をしてみようと考えました。そして海岸の砂原につれてゆき、朝八時から午後四時まで砂の中に寝かせておきました。

 

数名の者が海水浴をしながら病人の様子をみて、水分を与えるなどしてお世話しました。

 

夕方家に帰ってその晩団子大のものが数個湯のみ茶碗に一杯位局部から出たという。「おそらく子宮癌でしょうね」といいましたが、効果はあるだろうとは想像していましたが、その偉効に驚きました。その後、一夏に海岸で三回、家庭で二回。五回砂に寝たのですが、身体はメキメキよくなり秋頃には仕事をするようになりました。

 

結核も一酸化炭素などのガス体の被害が多いと思いますので、この療法は大変よいと思います。呼吸器疾患は土よりも砂のほうが良いと思います。私がサナトリウムの院長であったら、海岸に建てて天気の良い日は砂の上に寝かせます。

 

この療法は、あらゆる病気によいと思いますし、公害時代の健康法にもよいと思います。特に子宮癌・子宮筋腫には際立った効果があるようです。

 

 

 

その一例として愛知県犬山市から田中周子さんと六人のおつれの方が、海岸で一緒におやりになりました。その後その六人の中のお一人が夜寝ようとすると梅干大の固いものが鼻の奥から出たそうで、それは古い血のかたまりだったらしく、永い間の頭痛が一度に治ったそうです。


それで一緒に来られた六人の方達で、近所の人達と木曽川の砂原でなさったそうです。そうしたら三十一才の御婦人がその晩風呂の中で八センチもある丸いもの二個が局部から出たそうです。そして十数年間続いた頭痛と腰痛はすっかり遠くへ去って良い気分だということです。

 


関東でも利根川や渡良瀬川の砂原で数回、多くの人達がおやりになりました。お世話下さった群馬県板倉町の池田重信氏のお話では「一人の御夫人は一回半(二日目の昼頃)で腰痛を覚え間もなく、局部から相当大きいものが出た」と申しますが、子宮癌か筋腫かはわかりません。

 

 

その他の効果

神経痛、リウマチ、腰、肩の痛みや特に皮膚病にはてきめんです。不眠症がぐっすり眠れた等。

面白かったのは一人の五十五才の男性が「もう我慢できない」といって六時間寝て起きだしてしまいました。見ると睾丸と肛門の中間の会陰部が紫色にふくれ上がっています。「君はどんな腫物でも一日砂に寝れば治ると言った。ところが私の尻は何もなかったのにこんなに痛いものが出来た。どうしてくれる」とおこり出しました。私は「それは御赤飯を炊いてお祝いしなさい」と言いました。この人は前立腺炎でしたから、朝からの六時間でそれが解消されて汚い血や膿が外に排出するため紫色にふくれ上がったのです。家に帰って間もなく血膿がたくさん出てOKでした。

 

 

  砂療法の仕方

 

寝る姿勢はフトンに寝たような工合が一番楽です。膝を少し立て、肘も少し曲げます。呼吸器の毒素は肘から、腎臓方面の毒素は膝から発散するために膝と肘は痛みます。それで肘と膝が痛む時少しのばしたり曲げたりしますと大変楽になります。痛む時や、暑さで砂がやける時は、じょうろで水をかけて砂をぬらしますと楽になります。

 

 

上にかける土や砂の厚みは胸部、腹部で七-十糎(センチ)くらいがよいようです。頭部は直接砂にふれるのが一番よいが、大体木綿の手ぬぐいを用います。のどがかわけば側に水をおいて少しずつ飲みます。実施中排尿はそのまましますができなければ出て用便して又入ります。

 

健康体で新陳代謝の盛んな人は砂に入ると間もなく毒素の発散がはじまりますので、実に気持よく眠ります。一日砂に寝たあと一日二日すると肩や腕や背中に赤いポツポツが出来てかゆくなる人がよくいます。これは皮膚から毒素を流しだしていたのに中断したため、残った毒素がふき出ているためですからありがたいことです。薬をぬってもあまり効果はありません。できればもう一度砂に入るとよい。宿便排出に偉効

 

私が一日砂に寝てその翌朝起きようとしましたら、腰が痛くて起きられませんでした。 

これはおかしいと思いましたがどうにも動きがとれず、漸く這うようにして、用便だけはすませましたが三日三晩、腰腹痛で転々としました。そして次の朝、便通を催しましたが、実に驚く程の多量の宿便を排出しました。腰腹痛は宿便の離れる痛みでした。(注:宿便とは普通の便とは違い、長い間細胞組織にへばりついている便で、黒くコールタールのような感じの便です。これは普通ではなかなか出ないといわれていますが、これが出ると病も好転します。)


私は年に数回八日間の断食を実行し、その後、一週間の断食療法を数回行いましたので「もう私の身体には宿便はないのだろう」と思っておりましたから、多量の宿便排出で我ながら全く驚きました。そして生まれ変わったようによい気持になりました。砂療法は断食以上の力だと思いました。


よく健康法云々と熱心にして、二十年も三十年も食養をしている人で旧態依然としてまずい顔をしておられる方にあいます。私は精進もしない恥ずかしい日常生活です。しかし病気らしいものもなく、毎日働いております。人間の縄張りではとてもできない砂や土の力を、この療法で知ることができます。

 

 

  土・砂療法の危険性は

 

私は十数年前より毎年のように八月になると自らも砂に入り、また多くの人が砂に入るのをお世話しましたが、今までのところ全く危険性は認めません。私の知る限りでは砂や土に入ったために悪かったという例はありません。この点これからおやりになろうという方達は安心して実行なさってよいと思います。ただ四~五人の方が気持ち悪くなった例はあります。これは砂療法が悪いのではなく暑気をうけたのです。八月の晴れた日にはずいぶん暑く、砂がやけてはだしでは砂の上を歩けなくなります。その熱い砂の中にじっとねているのですから大変です。暑気をうけた人は大抵便秘症の人達です。万一容体が悪く困ったなあと思うような事がありましたら、風呂をわかして入りますとケロリとなおります。日射病は風呂に入るといいのです。


普通暑い時は涼しい木陰を選んでするとよい。
やはり熱い位の砂の中にねていますと体液はアルカリ過剰になります。ところがこれが過ぎますと逆転して酸過剰になります。ですからお湯に入れて身体を温めますとすぐなおります。


もう一つ注意しなければいけないことは、砂療法をする人達を六十人、七十人と大勢の方をお世話していますと、その人達から出るガスでやられます。相当に外にも出てくるものです。それを嗅ぐとその毒気を受けて世話する人が気持ち悪くなります。少人数の場合はあまりそんな事はありません。そんな場合は自分も砂や土にねますとなおります。こうした経験からしても、土や砂は相当の毒を出すものだと痛感しています。

 

 

 

  砂療法の効能

 

砂療法の効能については医学博士の樫尾太郎先生もおすすめしておられます。
原則としては朝八時から夕方四時頃まで入る。途中苦しくなれば出てもよいが、普通の人は八時間は耐えられる。腎臓の悪い人は尿が近くなることがあるが、これは腎臓が働き出すからである。砂に入って一~二時間すると体内の毒素が出始めるのか、苦しくなる人がある。神経痛の人はそこが引っ張られるような感じがする。


八時間たって砂から出ると、皮膚が収縮して砂が喰い込んでいるのか、水で洗ってもなかなか落ちない。これは皮膚の浮腫がとれるからであろう。それは全身の静脈の収縮を促し、帰路循環を促進することが当然考えられ、痔や婦人病やぜんそく等にも有効なことが推測される。皮膚のしみやにきびがとれ、きめが細かになり、冬でもかぜをひかなくなるようである。


ところが砂の付着しない人もある。胃の悪い人は胃の後、腎臓の悪い人は腎臓の後といった箇所が砂がつかずに赤く残るので、それで故障箇所を判断することができる。悪い所から汗が出て毒素を排出する為であろう。


土あるいは砂は、悪いガスを吸着する作用がある。一酸化炭素、硫化水素、アンモニア、亜硫酸ガス、インドール、スカトール等のガスが微量ながら毛孔から出るであろうし、汗腺からは尿素、尿酸、乳酸等やその他病的な物質が砂浴中に皮膚から排泄される事が考えられる。その他土壌中には浄化作用をもつ細菌も多数存在しているので、その影響も無視できない。

 

 

ある六十幾つの肥った婦人がひどい便秘症でしたが、時々下痢もおこし、直腸ガンの疑いをもたれていた。一時間もすると苦しくなって出てしまったが、出た跡に真っ黒にハエがたかっていた。多分ガス体と一緒に糖尿病体質で皮膚から糖分が流れ出したためであろう。


砂から出た時の感じはスポーツをした後のように幾分疲労感はあるが、極めて爽快で、あく抜けしたような気持がする。翌朝軽い下痢をして黒褐色をおびた便が出るので宿便が出たことが感じさせる。その日一日断食すれば一層有効であろう。何日も連続してやる時は、夕食の一日一食ということになる。八時間の砂浴で数日間の断食に匹敵する効果があるように思うと語っておられます。

 

土療法をする場合は植物に関係のない場所でします。畑などですと一年位は種をまいても枯れて育たなく、また木の下でしますと木の実や果物など、実をつけるものは全く実りをみせなくなってしまいます。人体から出る毒素がそれ等の生物にも大きな影響を与える程で、それ程すごい毒素が出ますから大変な療法だと思います。くわしくは砂療法テキストがありますので参照して下さい。