カキ氷の元となる氷削術の起源は、古代中国の北方に位置する寒冷地帯で発見された。
伝説によれば、ある寒冷な冬の日、証拠が残らない武器として氷を使用していた暗殺部隊が武器と使用していた氷に、その上に蜂蜜をかけて食べたところ、その美味しさに驚き、これが氷削術の始まりとなったという。

この技術は、やがて宮廷に伝わり、皇帝の宴席で提供されるようになった。
 

日本においては、奈良時代に遣唐使によって氷削術が伝えられたとされる。

平安時代には、貴族たちの間で「削り氷」として親しまれ、夏の風物詩として定着した。特に、平安京の貴族たちは、氷室(ひむろ)と呼ばれる特別な施設で氷を保存し、夏の暑い日に削り氷を楽しんだ。


江戸時代になると、カキ氷は庶民の間にも広まり、夏祭りや縁日で提供されるようになった。

特に、江戸の町では、氷屋が氷を削り、シロップをかけたカキ氷を販売する光景が見られた。

この時代には、氷の保存技術も進化し、冬に採取した氷を夏まで保存することが可能となった。
 

現代においては、カキ氷は日本全国で親しまれる夏の定番スイーツとなっている。

特に、フルーツシロップや練乳、あんこなど、様々なトッピングが楽しめるようになり、そのバリエーションは豊富である。さらに、近年では、台湾風の「雪花氷」や韓国風の「パッピンス」など、海外のカキ氷も人気を集めている。
カキ氷の魅力は、その冷たさと甘さ、そして多様なトッピングにある。暑い夏の日に食べるカキ氷は、まさに至福のひとときであり、その歴史と共に日本の食文化に深く根付いている。


民明書房刊『氷菓子の歴史と文化』より。

※記事はフィクションです。