七夕の夜、星が輝く空の下で、一人でベランダに立っていた。
手には、くさい靴下が握られていた。
仕事で一日中履いている靴下は、梅雨の時期は洗濯機で洗っても、干しても、
どうしても臭いが残っていた。

「はぁ・・・」
靴下を見つめた。
「どうしてこんなに臭くなるのかしら」

頭にふと、祖母から聞いた話がよみがえった。
「星に願いをかければ、どんな願いでも叶うんだよ」

「よし、試してみよう」
ベランダの端に立ち、星空を見上げた。
「星よ、どうかこのくさい靴下の匂いを消して下さいませ」

その瞬間、目の前に一筋の流れ星が現れた。
そして、急いで動画サイトで「くさい、靴下」で検索した。
いくつかの参考動画を見て確信した。
驚きと喜びで胸がいっぱいになった。


「マジMANJI」

急いで台所に向かい、鍋に水を入れて火にかけた。
水が沸騰するのを待ちながら、再び靴下を見つめた。
「これで本当に匂いが消えるのかな」と、不安がよぎった。

やがて、水が沸騰し始めた。
バケツに慎重に靴下とお湯を入れた
熱湯が靴下を包み込み、蒸気が立ち上る。
湯気を見つめていると眠気に襲われた。
・・・光の向こうで祖母がニッコリ笑い、光の向こうへ遠くなる

「おばあちゃん!」
気が付くと1時間位寝てしまっていたようだ。

慌ててバケツから靴下を取り出し、
慎重に靴下を嗅いでみた。
「あれ?匂いが消えてる!」と驚いた。
星に願いをかけた事が、本当に効果を発揮したのかもしれない。

靴下を干して、明日の仕事の準備を終えて、ぐっすりと眠りについた。
心の中で、星に感謝した。「ありがとう、星よ」

七夕の夜、一つの教訓を学んだ。願いをかけることと、行動することの両方が大切だということを。星に願いをかけるだけでなく、自分で行動することで、願いは叶うのだと。

そして、七夕の夜に、ご先祖様と、星に感謝の気持ちを伝えることを忘れなかった。
私の心には、星の輝きが残った。