初めて顔を見たときから違和感があった。
目がどっちにも似てない。
顔は一瞬しかみることができず、すぐに保育器へと運ばれてしまった。
自分が産んだはずなのに実感がない。
違和感が確信になりつつある。
産んだ喜びより、不安だけがのこる。
家族は嬉しそうに声をかけてくれるけど、その時の私はそれどころじゃなかった。
「おめでとう」「よかったね」の言葉が余計につらかった。
病室に戻り声を押し殺し泣いた。
受け入れられない。
愛してあげられない。
まわりの視線にたえられない。
将来どうしよう。
不安しかなくこの先すべてが暗闇になった。
動けないベッドの上で一睡もできなかった。
私は母親になれない。
娘に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。