幸せだなー







征ちゃんはわたしを甘やかしてばっかりいる。




今だってふとんの上でごろごろさせていただいている。





赤ちゃんは順調に育っている。


いまいち喜んでいるか分からない征ちゃんの書斎にこっそり入ったら大量の姓名についての本があったから知らないふりして見なかったことにした。



征ちゃんの誕生日プレゼントは馬の写真立てにした。馬好きだし。 




結婚だって征ちゃんならもっと素敵な人がいるのにどうしてわたしなんだか



だけど赤ちゃんができたから私も腹括らなきゃなあ




足が治ったらもっと元気に動いて丈夫になるんだ 
 




しかし幸せだなあ





いや何にも持ってないけれど





この家にあるものはぜんぶ征ちゃんのものだし
あ、わたしもか なんだかなあ まあいっかあ






そんなこと考えながらダラダラしていたら征ちゃんが帰ってきた音がした








「おかえりなさーい!」




「ただいま、」




いつもと同じさゆりの匂い、少し小柄な体、人間に戻れた気がする。






最近はいつも桃の画像を見ていたから桃を買ってきた。




ブラックカードを渡したこと忘れているんだろうか






こういうなんでもない日常を幸せと呼ぶのだと教えてもらった気がしていた。