本日の読書感想文


 

 
 

私たちは子どもに

何ができるのか

非認知能力を育み、格差に挑む

HELPING  CHILDREN SUCCEED

著者ポール・タフ高山真由美[訳]


 

まえがき より 

 

 非認知能力を育まれる機会を逃した子どもは、大人になった後に仕事や生活面でより多くの機会を失う可能性が高い。結果として、自身も貧困に陥ってしまう。

 これが貧困の連鎖を生むのだ。

 

 貧困に冷たい我が国は、貧困は自己責任だと突き放し、そして結果として、自己責任なんて持ちようがない子どもたちの間に貧困が広がることを、放置してしまっている。

 

 日々のニュースを見ていても、家庭内暴力、ネグレクト、親による乳幼児の殺害、学校内でのイジメ 全くなくなる気配はない。

結局、ほとんどのところ自己責任で自分達で何とかするしかない。何とかする術を持たない子どもは犠牲者だ。親が我が子を守るしかないのだ。親がまっとうに育てるしかないのだ。親が子どもを自律させるしかないのだ。

我が子なのだから。



グッときたポイント 

 

P54

 人生を不安定にする貧困などのせいで多くのストレスにさらされている親は、ストレスのない親の場合よりも、子どもに対して配慮の行き届いた、落ち着いた反応をすること、つまり安定したアタッチメントを育むことがむずかしい。しかし近年、親が望ましい行動を学習することは可能であるとの理解が進み、研究者の関心を集めている。

 

親が行動を学習しなおすことで、子どもの発達や貧困から守れるなら、たやすいものだろう。

子どもの将来が未来がかかっているのに飛び込まない親がどこにいる?

 

 

P88

  私たちは多くの場合、自分の行動が生む表面的な結果ではなく、その行動によってもたらされる内面的な楽しみや意義を行動の動機として決断を下す。この現象を「内発的動機づけ」という。

「有能感」「自律性」「関係性(人とのつながり)」

この3つが満たされるときにかぎり、人は内発的動機づけを維持できる

 

こういった内面の動きや感情を理解しようとせず、親の「あなたのため」ほど 子どもの内的動機づけを阻むものはないだろうな。わかっていても止められない程に心が不安と心配性に支配されているならば、専門家の手助けが必要だと思う。
 

 

P90

人間は生まれながらの学習者で、子どもは生まれつき創造力と好奇心を持っており、「学習と発達を促進する行動を取るよう、内発的動機づけがなされている」

 

これが正しいのなら、救われる。やりようによってはいつからでも遅くない。これをマインドセットしてみよう。

 

 

こんな人におすすめ 

 

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