【日本そば】
そばは、日本人になじみ深い食べ物ですが、そのルーツは日本ではなく、中国の江地と呼ばれる東チベット、四川省、雲南省の境界領域という説が有力です。
そんな、そばが日本に伝わったのは、縄文時代(旧石器時代後期)で、米よりも早く日本に伝わりましたが、そばの殻が硬くて脱穀しづらかった為、主食に向かなかったようで、米が主食へと変わっていきました。
そばは、戦国時代まで粥として食べられておりましたが、信州国で「蕎麦きり」として加工され、麺として食べられる様になり、全国へと広まっていきました。
江戸時代初期まで、高価な食べ物として将軍や大名など身分の高いものしか食べられない高級品のそばでしたが、さまざまな改良が行われ庶民にも手が届く様になりました。
江戸時代中~後期になると、水車引きの技術向上で大量にそばを挽けるようになった事と、そば栽培が大幅に増えたことで、そばが庶民にも手の届く食べ物となりました。
そばには、炭水化物やたんぱく質、食物繊維、ビタミンB群、ルチンなどの栄養素がバランスよく含まれており、そば粉の配合には、八割そば(そば粉8割、小麦粉2割)と十割そば(100%そば粉)が有りますので、より効果的にそばの栄養を摂取したい場合は、十割そばをお勧めしますが、のど越しを楽しみたいのであれば、小麦粉をつなぎにした八割そばを購入されるのがよいでしょう。
そば粉には、パンやうどんなどの小麦製品などより、血糖値の急上昇を抑える成分がありますので、インスリンの過剰分泌を防ぎ、血糖値をコントロールしやすく、太りにくい体づくりが可能で、ダイエットに向いている食品です。
さらに、主食の中では高たんぱく質でありながら、低糖質、低脂質で、食事のバランスを整えやすく、そば粉には植物性たんぱく質を多く含み、脂質が少ないため、摂取エネルギー量を比較的簡単に抑えることができますが、食べ過ぎに注意したり、つけだれやトッピングを工夫したりすることで、ヘルシーな食事になります。
その他、食物繊維(不溶性食物繊維)が豊富で、腸内環境を整えやすく、腸の蠕動運動を促進し、便秘の予防や改善に効果もあり、老廃物の排出を助け、デトックス効果が期待できる他、満腹感を得られやすくて食べ過ぎ防止にもつながります。
そばを食べる時には、野菜を組み合わせることで、ビタミンや食物繊維を補強することができ、薬味であればネギや大根おろしがお勧めです。
ホウレンソウは鉄分や葉酸が豊富なため、そばと一緒に食べると貧血の予防に効果的で、キノコ類は低カロリーで食物繊維が豊富な為、旨味たっぷりなので味にも深みが出ます。
そばに野菜の天ぷらやかき揚げを添える人が多いかと思いますが、天ぷらを作る際は旬の野菜を使うことで、より栄養価が高まりますが、食べ過ぎると脂質の摂取が増えてしまうので注意してください。
そばは、白米やうどんに比べてたんぱく質の含有量が多いですが、そばのたんぱく質だけでは、体に必要なたんぱく質の量は補えないので、筋肉の維持・増進、あるいは満腹感を向上させるには、さらに良質なたんぱく質を摂取致しましょう。
タンパク質には、温泉卵をトッピングする事で、ビタミンB群やビタミンA、ビタミンDを補うことができ、鶏むね肉や鶏のささ身の他、豆腐や納豆を加える事で、良質なたんぱく質の補給や納豆に含まれるナットウキナーゼは、血液サラサラの効果もあります。
海苔は、ビタミンB群やミネラルが豊富で、しらすなどでカルシウムを摂る事が出来、ワカメを加える事で食物繊維とヨウ素も補うことができます。
また、冷やしそばなどに加える「えごま油」は、人間の体内で生成できない必須脂肪酸(α-リノレン酸)が多く含まれる為、細胞の機能を維持するために必要不可欠とされるので、小さじ1杯程で必要量が補うことができます
体に良い栄養素がたっぷり含まれている「そば」ですが、たくさん食べれば良いというわけで無く、食事はバランスが大切な為、食べ過ぎや食品の偏りに注意してくださいね。
そばは、のどごしも良く早食いになりがちな食品ですので、ゆっくりとよく噛んで食べることで満腹感が増し、食べ過ぎ防止を意識してください。
特に「そばアレルギー」のある方は、そば粉を微量でも摂取すると、皮膚のかゆみや発疹、じんましん、吐き気、嘔吐、腹痛などのアレルギー症状を引き起こし、アナフィラキシーショックなど重篤な反応となり、命に関わる可能性がありますので「そばアレルギー」のある方は、そば粉を絶対に摂取しない様、ご注意してください。
食事を安全に楽しむ為にも正しい知識を学び、美味しくて楽しい食事を楽しむ事が、人生を豊かにする秘訣かもしれませんね。
