【桜の見える縁側】

 今年も短い桜の季節が過ぎ、ふと気が付くと、新緑の香りが心地の良い季節になってまいりました、今回は、そんな桜の季節にまつわるお話をさせていただきたいと思いますので、しばし、お時間を拝借させていただきます。

 

 祖母の家には、大きな桜の木があり、物心付くころから、縁側で暖かい春の日差しの中、満開の桜を眺める事を恒例行事にしております。

 

 ある日、一人縁側に座り、満開の桜を眺めながら、母が手土産に持ってきた、長命寺の桜餅を食べて、ふと目線を上げると、とてもきれいなお姉さんが桜の下に立っておりました。

 

 見知らぬ親戚のお姉さんだと思い、桜餅を進めると彼女は、縁側の横に座り一緒に桜餅を食べ、暖かい午後の日差しの中、まどろんでいると、叔母が夕食の為、呼びに来たので、そちらに視線を向けた後、気が付くと、先ほどまで隣に座っていたお姉さんの姿は、消えておりましたが、子供の事でしたので、夕飯やテレビを見ている内に忘れてしまいました。

 

 翌年も満開の桜の咲く縁側で、桜餅を食べていると、昨年同様、知らぬうちに、きれいなお姉さんが立っており、縁側で並んで一緒に食べておりました。

 

 歳を重ねるごとに、桜の季節に縁側に座り、一緒に過ごすお姉さんが、自分にしか見えない人である事に気が付きましたが、暖かい午後の日差しの中、縁側で過ごす、まったりと過ごす時間が、心地よいので、特に気にする事はなく、自分だけの秘密の楽しみとなりました。

 

 学生時代のアルバイト先に、見えない人が見えてしまう体質の女子から、私の背後に、きれいな女性の影が見える様ですが、笑顔で見守ってくれているようで、心配はないと言われたことがありましたが、思い返せば、数々の災害等にギリギリのタイミングで、回避できたことや、トラブルばかりの人生で、何とかなってきたことは、もしかしたら、見えない力で守られているのかもしれない様で、心から感謝しています。

 

来年も、桜の咲く縁側で、一緒に過ごす私だけの幸せな、時間を楽しみにして、楽しく頑張る事と致しましょう。

一番好きな季節といえば

 

 

 

 

 

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