【七転び八起：人は、見た目が大事】
東京都で先日、カスハラ（カスタマーハラスメント）に対する条例が発令されましたが、世の中には、弱い立場の人に対して、ありえない程の感情をあらわにされる方々が実に多い事には、理解が出来ません。
先日、仕事帰りにスーパーのレジで、パート従業員（女性）に対して、とても高圧的な態度で、クレームをしている男性に遭遇した時、栄養士をしていた時の事を思い出したので、今回は、カスハラについて少しお話をしようと思いますので、暫しの間、お付き合い願います。
15年程前、給食委託会社に在籍し、日本郵政関係の病院で患者さんの食札を担当していた時、夕食の配膳も終了し、翌朝の食札の準備をしていると、突然、栄養科の電話が鳴り響き、病院側の管理栄養士が対応しておりました。
どうやら、夕食の配膳に関する男性患者さんから、かなり高圧的なクレームがあり、病棟の若い看護師（女子）では、対応できないので、栄養課の管理栄養士に説明に来て欲しいという、お願いでした。
この患者さんは、過去にもかなり高圧的なクレームをしていた様で、管理栄養士（女性）も対応に困っている要注意人物でした。
どうやらクレームの内容は、夕食をキャンセルしていたのに配膳された様で、配膳された夕食を、そのまま看護師に誤配膳を伝え、戻せばよい程度の事で、別に騒ぐ事でもないように思えますが、弱い立場の人に感情をあからさまにする人らしく、病棟の方でも要注意人物としてチェックしていた患者さんの様です。（カスハラ男！）
当日の夕食は、私が食札を担当していたので、私のミスという事もあり、栄養課を代表して謝罪に伺う為、ユニホームの上に白衣を着て、病棟へ向かいました。
病院内で白衣を着るのは、Drか栄養士だけですが、中身は給食委託業者の中年ヒラ契約社員です。
私は、学生時代に柔道をしていたので、体は大きく（178cm95kg）て、それなりに偉そうに見える様です。
（態度がでかい様です）
病棟に着き、ナースステーションから病室に向かうと、かなり高圧的な口調で若い看護師にクレームを言っている声が廊下まで響いておりました。
私のミスで発生したクレームなので、怒られる覚悟で病室に入り、謝罪をしようとした瞬間、今まで大声で高圧的にクレームを言っていた患者さんが、私の姿を見るなり、ベッド上で正座をし、まるでおびえた小動物の様に静かになってしまいました。
一通り謝罪を伝えると、いきなり敬語で「別にたいした事ではないので、わざわざ先生が来てもらう程の事では無いですよ」と、今までの高圧的な態度とは、打って変わっておとなしくなりました。（卑屈にへつらう様な態度でしたでしたどうやら、私の事を病院の偉いDrだと思ったらしく、あり得ない程、ヒートアップしていた感情が一気に下がってしまった様で、逆に機嫌を取るような態度に急変したようです。
事も収まって、戻る時にナースステーションを通りかかると、看護師長からお礼を言われ、事務所に戻ると、病院側の管理栄養士から、とても感謝されたことを思い出しました。
人間は、見た目も大事であると思った出来事でした。
