【かぬれ君に聞いてみた:オムライス】

 休日の午後、かぬれ君を抱っこしながら、リビングのソファーでまったりと、テレビを見ていると、全国各地のおいしそうなオムライス特集をやっておりました。

 

 そう言えばここ数十年オムライスを食べていなかったことを思いだしたので、今宵の晩御飯は、オムライスを作ろうと思案していると、抱っこしていたかぬれ君が私の頬をなめながら、ご主人!オムライスは、わしも食べたいのでばんごはんに所望致すぞ!と殿様の様な口調で要求してきました。

 

 「オムライスは、味が濃いのでワンコには、毒だからダメ!」と断ると、泣きそうな表情をして、いじけてしまいました。

 

 少しかわいそうなので、代わりにモンデールのシュークリームを分けてあげる事を約束すると、ご機嫌が戻り、オムライスの事を語り始めました。

 

 そもそも、チキンライスをオムレツで包んだものは日本独特の洋食であり、アメリカやヨーロッパには存在しない純和食なのだよ!

 

 「オムライス発祥の店」を自称する店はいくつかありますが、東京銀座の「煉瓦亭」と大阪心斎橋の「北極星」が有名ですね。

 

 「煉瓦亭」では1900年(明治33年)に賄い料理として誕生し、溶き卵に米飯とみじん切りの具材、調味料を混ぜ込んで焼いたもので、現在一般的に認知されているオムライスとは異なるスタイルで、チャーハンに近い物で、忙しい厨房でもスプーン一つで食べられるようにと考案されましたが、お客さんが食べたいと所望したため、翌1901年(明治34年)より「ライスオムレツ」という名称でメニューに載せ、現在も「元祖オムライス」という名前で提供されている様です。

 

 なお、現在の「元祖オムライス」はトマトケチャップをかけた状態で提供されていますが、ケチャップが日本で普及するのは1908年(明治41年)以降なので、当時のライスオムレツにケチャップは使用されていませんでした。

 

 一方、「北極星」のオムライスは、ケチャップライスを薄焼き卵で包んだ、現在一般的となっているスタイルです。

 

 1925年(大正14年)に、いつも米飯とオムレツを頼んでいた胃の弱い常連客に「くる日もくる日も同じものではかわいそうだ」とケチャップライスを薄焼き卵で包んだものを提供し、「オムライス」と命名したようです。

 

 現在、主流の皿に盛ったチキンライスの上に中が半熟のプレーンオムレツを乗せ、食卓でそれに切れ目を入れて全体を包み込むように開くという方法は、映画『タンポポ』で伊丹十三監督が発案し、東京・日本橋にある洋食屋の老舗「たいめいけん」が作り出したもので、現在は「タンポポオムライス(伊丹十三風)」という名前で供され、店の名物の一つとなっております。

 

 日本の洋食屋さんから発祥したオムライスですが、洋食屋にとどまらず、街の食堂やラーメン屋さん等様々な場所で提供され、家庭料理でも食べられるごく一般的なメニューとなり、大人から子供まで人気のあるメニューが、日本発祥で海外には無いとは、ビックリしたものですね。

 

 今宵は、オムライスを食べた後、かぬれ君と一緒に、モンデールのシュークリームを堪能する事と致しましょう。

今日の飯テロ

 

 

 

 

 

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