こんにちはー

 

もう4月も半ばですね。

つつじとかシャクナゲの花が道に咲き乱れて、樹は若緑色の柔らかそうな新芽を伸ばしていて気分が明るくなる最高の季節です。

 

 

最近は100分で名著をみまくってますが、ためになる本ってたくさんあるんだなと改めて思いますね

特にニコマコス倫理学は、自分の現状の捉え方とこれからの心構えを指南してもらっているようで、原著を読みたいと思いました。

 

この横になる現象をどう直せばいいかわからないのでそのままにします。

 

 

今回はニコマコス倫理学の著者の弟子、テオプラストスが書いた人さまざまの感想です。

 

 

テオプラストス  (岩波文庫 人さまざま 解説より)

BC372-288

古代ギリシア人

師アリストテレスの学園を継承発展せしめた2代目学頭

レスボス島エレソスの町の洗濯業の息子として生まれた。

幼名をテュルタモスと言ったが、話術の優美さから、アリストテレスがテオプラストス(神の如く話す人)に改名せしめたという。

 

「愛は無為閑居の魂の病」との言葉を残しており、生涯妻帯せず。

かつてレスボス島とテネドス島の人たちが行う「美人コンテスト」に触れて、

「生まれつきの偶然にのみ依存する美しさはなどは、名誉に値するものではない。

思慮分別が加わってこそ、美は善きものとなる。さもなくば、放埒へ導く危険物だ」

と語ったと伝えられる。

 

 

 

人さまざま (岩波文庫 あらすじより)

哲人でも賢人でもない古代ギリシアの平凡な人々の世態人情、それを明かしてくれるのがこの愛すべき小品だ。

アリストテレスの愛弟子テオプラストスが徒然の興に任せて軽妙犀利な筆をふるった人物スケッチ30篇。

どのページを開けても、そこには古のギリシア庶民のさざめきがこだましている

 

 

内容としては、当時のギリシア人の悪徳を列挙して、具体的なエピソードを交えて記載しているものです。

 

 

好きだと思った部分を取りあげてみます。

 

・4 粗野の解説

ローマ人と違い、ギリシア人は自由に召使いと話が交わせた。

 

・11いやがらせ

嫌がらせとは、露骨で、不作法極まる悪ふざけである。そこで、嫌がらせをする人とは、およそ次のようなものである。

すなわち、淑女に出逢うと、自分の外衣を巻くしあげて、隠し所を見せびらかす。

 

紀元前から露出狂が存在したことに衝撃です。笑

 

・12頓馬

保釈保証人を請け負って、その裁判に負けた人のところにでかけ、自分の保釈保証人になってもらいたいと依頼する。

召使いが鞭を打たれている時に、そのそばに立って言う、かつて自分のところの召使いもこんなふうに鞭打ちを食らった時、首を括って死んだものでした、と。

 

この章のエピソード、間合いが悪すぎて笑えます。

また、解説にありますが、ギリシアでは一般的に召使いの扱いは人道的であったようです。

ローマの方が厳しい扱いだったのでしょうか。

 

・21虚栄

虚栄とは、卑俗なる名誉欲である。

そこで、虚栄の人とは、およそ次のようなものである。

…自分のお伴がエチオピア人であるように配慮する。

 

ローマ時代にはごく普通のことであったが、アレクサンドロス大王の東征以来、ギリシアでもエチオピア人の召使いを持つことは、金持ちの流行となった と解説にあります。

 

・24横柄

横柄とは、自分以外の他の人々を軽蔑することである。

 

 

教訓とか、ためになるお話はないですが、当時のギリシア人の様子や道徳観が垣間見える点でとっても貴重な作品だと思いました。

 

紀元前から数千年の間、これほど文明や化学が進歩したと言われている中で

西洋東洋問わず、人の道徳観とか、行為がさほど変わっていないことが不思議な感じがします。

 

 

短い作品なのですぐ読めます。ぜひ。

 

ありがとうございました。