ギイドモーパッサンの長編小説

 

 

モーパッサンは1850年のフランス、ノルマンディー地方の裕福な家庭に生まれた。

ルーアンの高校に進学し、1870年パリ大学法学部に進学。直後に普仏戦争召集。

戦争を憎み、ここから悲観主義、人間不信。

22歳からフロベールの指導を受ける。同時に官職に就く。

1880年脂肪の塊発表。1883年に6年かけて執筆した初の長編小説女の一生を発表。

神経梅毒に苦しみ、生涯独身。後半は不眠症や麻薬濫用。

1891年発狂し自殺未遂しパリ16区の精神病院収容。42歳で没する。

 

 

1789年がフランス革命の年だから、革命後のフランスに生まれて大変そう。

普仏戦争ってもしや王族の権威が落ちたことに危機感を覚えたドイツVSフランスってことかな。よく知らないけど。

ナポレオンが誕生したコルシカ島も小説に出てくる。

 

 

女の一生は産業医講習会の間に読んで、面白くて結構すぐ読めた

 

夢見がちな女の人生を描くリアリズム文学の傑作。

修道院で教育を受けた清純な貴族の娘ジャンヌは幸福と希望に胸を躍らせて結婚生活に入る。

しかし彼女の一生は夫の獣性に踏み躙られ、裏切られ、さらに最愛の息子にまで裏切られる悲惨な苦難の道のりであった。(新潮文庫)

 

修道院はカトリックらしい。フランスってカトリックが90%くらいみたい。

 

 

何が良かったかというと

①フランス革命後の貴族、教会、民衆の価値観の揺らぎの描写

②モーパッサンの写実主義、自然主義の文体

 寺田寅彦の文章に似てるって思った。あとキューブリックの映画の雰囲気にも似てるかも。

全然適当に言ってるけど。カメラでレンズ越しに見てるような詳細で他人事のような描写が続くと思ったら、突然グサッと刺されるような鋭い人間描写があったりして好きです。

③当時又は時代関係なく女性がよく陥りがちな「〇〇があったからもうだめだ、この時こうすれば良かった。なんでこうしなかったんだろう。もうおしまいだー」っていう落ち込み→過去へのこだわりの描写。モーパッサン男で生涯独身なのになんで女性の心情をここまで鋭く描ける?

そしてちょうど産業医講習会で大野先生の認知行動療法の講義聞いてたから、うつの認知のモデルの説明がすごく当てはまってて面白かった。過去へのこだわりはよくなくて、落ち込み→反省→未来思考につなげるのが大事らしい。

 

 

以上です。ありがとうございました。