人生で初めて、まともな文を書いたのは小学校1年生の夏休みだったと思う。
母親にペンを握らされて、書いてはダメだし、書いてはダメだし、それの繰り返しだった。
結局、自分の言いたいことではなく、母親の言うことをそのまま書いて提出した。
母親に文句を言うつもりはさらさらない。
おかげで、周りからは「利口な子」みたいに思われていたようだ。
そんな日々が遠い昔のように感じる。
もう片手で数えられなくなったその過去は、数年前には両手でも数えられなくなっていた。
そんな長い年月が経ったのに、僕の書く文章は拙く、自分で読んでいて嫌になることが多かった。特に中学時代、得意であったはず現代文の記述問題で、うまく文が書けなかった。それから、現代文が嫌いになった。
今、僕は自分の人生を変えることができる、大きな分岐点に立とうとしているらしい。
あまり実感が湧かないが、この現実はしっかり受け入れようと思う。
この前、担任と面談した時に言われた。
「とうふ君は、得意な教科とか、好きな教科あるの?」って。
「成績は良くもないし、悪くもないけど、将来何したいとかってあるの?」って。
得意な教科も、好きな教科もなかった。強いていうなら、英語。
将来やってみたいことはたくさんある。
でも、親に反対されるし、現実的ではない。
自分が置かれている環境からその道へ進む人間は多くないのかもしれない。
いろいろ考えて僕はなんて言ったのだろう。
自分がやりたいことを、実の母親に否定される。
これほど苦しいものはない。
自分の考えが甘かったのかも知れない。
きっと頭の片隅で、「母親だし、息子の夢は応援してくれるだろう。」なんて甘い考え方が、根を生やしていた。
面談の日からいろいろ考えた結果、ブログを始めるきっかけにもなった。
文才も知性も微塵もない、こんな自分が書く文章を誰が読んでくれるのだろう。
それでも伝えたい思いがあるんです。
現実世界の「とうふ」として言えない事はここでなら言える気がします。
ここでなら、とうふの角のように、脆く、儚い僕の思いも誰かに伝わると願っています。