三重県で行われている「上げ馬神事」で、馬に対して暴力・虐待行為が行われていることを知りました。

 

 

(前略)

この神事に供される馬たちは、走路先の傾斜30~35度の坂上に約2mの垂直壁(当日中央部を削り約1m70㎝にする)を越させるために、トレーニングもなくぶっつけ本番で無理やり挑まされる。
走路で転倒したり、壁に激突したり、仰向けに転倒するなどで、肩甲骨、大腿骨、四肢の骨折などが起こることがある。
この他に、壁に激突して鼻腔から大量出血した馬、坂で頭から転倒し頸椎損傷で即死した馬もいた。
特に降雨時には路面が滑るために危険性が高まっていた。
これら受傷した馬の殆どが安楽殺され、今までに殺処分された馬の実数は、残念ながら三重県も、上げ馬神事主催者も記録していないので分からない。

 

この危険性を下げ安全を高めるために、垂直壁の高さを低くすることと壁を傾斜させることを両神社に要望したところ、猪名部神社が受け入れ壁を傾斜(約75度)してくれたので、仰向けに転倒する馬は殆どなくなり、危険性が減った。


この神事の騎手に選ばれた少年たちは、わずか1か月程度の乗馬練習で本番を迎える。

そのため、騎手の乗馬技術は不確実であり、馬の能力によってその差が大きく異なっている。

何とか越えるものがいるが、途中で落馬する、スピードがなく失速する、スピードがあるが壁に激突する、壁上に腹ばいになる、仰向けに転倒するなどがある。

騎手以外の少年たちの中には転倒馬の下敷きになったり、馬に蹴られるなどで怪我する者がいるが、死者が出ないのは不思議である。


「動物との共生を考える連絡会」と私が、この上げ馬神事を知ったのは2002(平成14)年で、馬の保護管理研究会(馬研)が作成したビデオを見たからで、先進諸国に名を連ね文化国家である我が日本で、あまりにもすさまじい馬への虐待を行う神事が現存していることに非常に驚いた。

それ故、翌年の上げ馬神事を調査したところ、ドーピング竹や鞭でむやみやたらに殴打する、下腹部を蹴り上げる笹・法被・ロープを振り回す水をいきなりぶっ掛ける大声で怒鳴るなど激しい直接的暴力(虐待)を行い、馬を極度の恐怖に陥らせ過剰興奮させ狂奔させた。

大勢の観衆や警察官がいる中で、馬への直接的暴力を公然と行われ、さらに壁に腹ばいになった馬をロープで無理やり引っ張り上げるなどもあり、超見苦しい無形民俗文化財の実態を知り、日本の恥だと思った。


上げ馬神事の実態を知ったから、改善に向けて三重県知事、三重県担当部署、三重県教育委員会、三重県警察、多度大社、猪名部神社、三重県議会議員の全員に馬研が作成したビデオと改善要望書を添えて送付した。

さらに、三重県、三重県教育委員会と共催してシンポジウム「馬と文化を考えよう」~人と動物の共生をめざして~を開催して改善を求めた。

その結果、馬への暴力は減ったが、残念ながら一時的でしかなかった。

その後は、年を追うごとに次第に馬への暴力がエスカレートした。

(中略)

その後も、多度大社は壁の構造を改めることなく危険状態のままである。

今でも、一部の地区が馬に対する直接的暴力である鞭等での不必要な殴打、突然下腹部に水や砂をかける、法被を振り回し大声で怒鳴るなどなどで過剰に興奮させている。

警察は、動物愛護管理法を知らないのか、馬への暴力を一切取り締まることなく関わろうとしない。

三重県庁関係者も見て見ぬふりし容認している。


和鞍や和鐙などの和式馬装と装束での行事は、誠に貴重なものなので、青少年の健全育成に寄与しつつ、三重県の一大イベントである上げ馬神事が、真の無形民俗文化財になるよう私たちは願っている。

人馬の安全のために、馬に対する乱暴な行為を完全になくし、壁を安全な構造をに改めていただきたい。


改正動物愛護管理法が6月から施行され、罰則の強化や虐待事例の追加などが図られ実効性が高まったと思う。

馬を垂直で高い壁に無理やり挑ませることは「酷使」(特に能力が低い馬であればあるほど)に該当する。

今後は、馬への暴力行為(虐待)を動画収録し、それをもとに告発する。

警察が告発状を受理しなくても、毎年繰り返すことが必要と思う。

できれば、自発的に改善してもらいたいので、多度大社・御厨組織と三重県関係者一同が真剣に考えてくださるよう願うばかりです。

 

(上記記事より引用 こちらで改行、及び一部を赤字にさせていただきました) 

 

 

 

馬への虐待行為を即刻やめていただきますよう切に願います。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

 
 
 

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