《今日の主な登場人物紹介》
土志田(どしだ)よね…この物語の主人公。土志田家次女。朝美台(あさみだい)尋常小学校5年生。まだ自分にもわからない未知の能力を秘めている切れ長の目を持つ10歳の女の子。
坂口 闘馬(とうま)…横浜から転校して来たよねの同級生。今後の物語の鍵を握る。
闘馬の屈託のない笑顔がすごくさわやかに見えた。歯もきれいだし、もしかすると音羽時次郎など問題ではないかもしれない、とよねは思った。
「ところで、さっきから不思議に思ってたんだけど『虹の迷宮』を巡って奪い合いがあったっていう話は、一体誰から聞いたの?」
闘馬が疑問に思うのも無理はない。よねは思わず咽てしまった。何と答えていいか、考えあぐねていると闘馬の方から、答えを導き出してくれた。
「もしかしたら、夢のお告げ? 土志田さんは、夢で未来を当ててしまうとかって、聡から聞いたことがあるんだ」
「そ、そうなのよ……。夢で見たの! だから、当たるかどうかわからないけど……」
「いや、きっと当たるよ。どっちにしても、今のままではどうしようもないし。先生に聞くのが一番さ」
よねが、闘馬の妹・美千子の靴下をたたみ終わった時だった。下から、田中さんが「ほら、これでも飲んで温まりなさい」と言って熱いココアを持ってきてくれた。
よねは湯飲みに入れられたココアをすすりながら、闘馬に聞いた。
「坂口君は、アルドボールの選手に立候補するの?」
「う~ん、本当は立候補したいんだけど、夏休みのほとんどがつぶれちゃうと思うと、お母さんに言いづらくてさぁ。でも、聡が言った通り、やりたいよなあ」
闘馬は湯飲みを置いて、両方の肩を回すような仕草をした。
「そうよねぇ。特に坂口君は、横浜にいた時に、アルドボールをやっていたんだから、余計出たいでしょ?」
「まあね。ところで、土志田さんこそ立候補しないの? あんなにすごいボールが投げられるんだから、絶対やるべきだよ。それとも、やっぱり家の手伝いがあるの?」
「うん。お店の手伝いとか、弟の世話とか……いろいろ。でも、今年の秋に三味線のお稽古をまた始めるかもしれないんだぁ。去年の秋まで習ってたんだけど、お師匠さんのお母さんの具合が悪くなって、実家に帰られたの。でも、また今年の秋に戻ってくるんですって。
そうなると、アルドボールは秋の大会でしょう? 三味線のお稽古とぶつかっちゃうわぁ。それに、お父さんは長唄が好きだし、アルドボールの出場を許してくれるかどうか……?」
「そうかぁ。誰もみんなすんなりとはいかないなぁ。聡だってさっきはあんなに張り切ってたけど、うまくいくかわからないしなぁ」
闘馬の話を聞きながら、よねは湯飲みにこびりついたココアの最後の一滴を飲み干した。
「ご馳走さま。じゃあ、私行くね。家で心配してるといけないから」
「うん、わかった。また今度ゆっくりおいでよ。今度は、麻美ちゃんや幸司君も連れといでよ。……それと俺、今日アルドボールの件、お母さんに相談してみるよ。土志田さんもダメで元々だからさ。言ってみたら?」
「うん、言ってみる。でも、お父さんの機嫌を見てね」よねは舌をペロッと出した。
「あっ、あとこれ持って行きなよ」そう言って、田中さんがさっきくれたお菓子を袋ごとよねに手渡してくれた。
「ありがとう! じゃあ、みっちゃんの分と分けよう ♫」
よねは田中さんにも挨拶をして、闘馬の家をスキップしながら飛び出した。
(「虹の迷宮」も何とかなる♫ アルドボールもみんなと立候補しよう♫ )
鼻歌交じりにご機嫌だった。ロココの「癒しの粉」が今頃効いてきたかのように……。
そして、この瞬間に「少女・少年探偵団」は完全に解散! 代わりに新たな名探偵コンビが誕生したと言っても良いでしょう!
ワカバのよもやま話コーナー
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ジャイアント・ロボは共作(横山光輝先生と小澤さとる先生、光プロ)などの問題で長い間コミックス化されなかったそうですが、2005年に完全版として刊行されました。
これだけの種類があるのね!
ジャイアント・ロボの食玩❗️ 右から巨腕ガンガー、ジャイアント・ロボ、ロボのニセモノのカラミティ、電流怪獣スパーキー‼️
またもや横山光輝先生の食玩❗️ 右から鉄人28号、タイタン・マーズ、サンダー大王 ⬇️
鉄人のボブルヘッド〜‼️
スプリングが取れてしまったみたい ⬇️ ![]()
鉄人28号の食玩❗️鉄人の背中のロケットも丁寧に彩色されてます(写真・右上)
鉄人 対 ブラックオックス
鉄人 対 モンスター
バッカス
第34章「 アルドボール出場の決心」① へ つづく
(ブログは毎週火曜日0時2分に更新予定です)


















