ありがたいことに 本社での選抜研修に参加できることになり
今週一週間は、毎日 都内本社まで通っていました。

そんなわけで、この一週間は何があっても休暇は取れないし
もちろん電話もメールもできない環境で過ごしていました。




そこで何かを起こしてくれる
期待を裏切らない男、モリ村モリ男。



今回は、とある モリの長い一日についてまとめました。









昼休みも不定期な、一週間。

その日は12:45からと、少し遅いお昼休憩に入りました。
スマホをチェックすると、知らない番号からの着信履歴。

どうやら、自宅近くの固定電話のようです。





普段なら、知らない番号からの履歴は放置するのですが
この日は、何となく かけ直してみました。








電話に出たのは 若い男の子の声でした。










「あ、モリ君のお母さんですか?
お隣の和久井です。

今、モリ君がぼくの家に居ます。

家の鍵持たずに出掛けた間に
お姉ちゃんが学校に行っちゃって
鍵がかかって入れないって。

家でお昼ご飯食べさせてあげても良いですか?」













な、な、なんですとー!?!?!?












話を要約します。





07:00

私が出勤。
いざというときのためのスペアキーがリビングに置きっぱなしであるため、
所定の位置に戻すようにモリに伝える。


08:30

学校開放事業があるため自習しに行く。


10:30

モリ 帰宅。


10:35

サッカーの合宿に持っていくおやつ(200円まで)をコンビニに買いに出掛ける。


10:40

モリが一旦帰宅したことも、すぐに出掛けたことも気づいていない長女が部活に出掛ける。(当然鍵をかける)


10:45

鍵を持たずに出掛けたモリが コンビニより帰宅。
鍵がかかっている。

普段 庭に隠してあるスペアキーを戻していないためリビングに置いてあるまま。

困ったモリは、とりあえず庭でサッカーをして遊ぶ。


11:30

この日の最高気温、35度。
いよいよ暑いので飲み物もない状態がつらくなってくる。

所持金は おやつのお釣り41円のみ。

近所に住む、小学校の同級生の家をピンポンするが留守。

個別塾には先生がいるかもしれないと思い、見に行くがまだ来ていない。


12:00

とても暑い。

お隣の和久井さんのお宅をピンポンする。
運良く一番 人当たりの良い三人兄弟の真ん中のお兄ちゃん(高3、サッカー部)が在宅していて
家に入れてくれる。

モリは電話を借りて私の携帯に掛けるが、出ない。


12:45

着信履歴に気づいた私から折り返しの電話がかかってくる←今ココ


13:00

お兄ちゃんがタンメンを作ってご馳走してくれた。

私は塾に電話して事情を伝え
テキストも筆記用具も無い 手ぶらの状態で塾に行くことの了承を得る。

また、飲み物がないので
モリが到着したら先生から200円お借りし
近くの自販機で飲み物を買うように伝えてほしい旨お願いをする。

長女が部活帰りに塾に迎えに行くまで
自習させてほしいとも頼む。


13:15

長女に部活帰りに塾に寄ってモリをピックアップするようにLINEを入れる。

もう一度、これらの状況を和久井さんに電話で伝える。


14:00

塾に出掛ける。
塾の先生からは「災難だったねw」と言われたらしい。


16:50

授業おわり。
しかしまだ長女が迎えに来ないので自習時間に突入。


18:00

長女が迎えに来る。


19:30

私が帰宅。
菓子折りを持って、モリと一緒に和久井さんにお礼に行く。






この、和久井さんのお兄ちゃんは
小学生の頃からすごく人懐っこくて気が回る子で
しかもサッカーをやっているので
モリは保育園の頃から、このお兄ちゃんをすごく慕っていました。


最近はお互いに大きくなってしまい
お隣にもかかわらず、あまり会うこともなくなってしまったので
チキンなモリが、和久井さんのお宅をピンポンすることはとても勇気のいることでした。




しかし、お兄ちゃんは 今でも、とても気の回る青年に変わりはなくて

当然のように迎え入れてくれて
お昼を作ってくれて
トイレの心配をしてくれて
サッカーのテレビを見せてくれたり
一緒にスマホのサッカーゲームをさせてもらったり
塾に行く直前にはスポーツドリンクのペットボトルまで持たせてくれました。
(なので、塾の先生からお金を借りずに済みました)




我が家の子供たちは、
近所の困っている子がピンポンしてきたとしても
なにも出来ないと思います。



いくら勉強ができても
(モリは勉強すら出来ないがw)
こういう人に敵う人なんて居ないなぁと痛感しました。






お兄ちゃんへの感謝と同時に
どうやったらこんな風に育つんだろう、と思ったけど

そういえば もう何年も前に
ここのお母さんにその事を聞いたことがあって



「こんな子目指さないでw
ただ厳しくしてるだけよ」


って、カラカラっと笑われたことを思い出しました。











モリの、長い長い一日が終わりました。

大袈裟でなく、和久井さんのお陰でモリは死なずに済みました。





鍵の管理については言うまでもなく

次こんなことがあったら
図書館で涼んで冷水器で水を飲むという手段もあることを伝えました。




そして何よりも
お兄ちゃんにしてもらって すごく嬉しかったことを忘れないで
もしも困っている人がいたら
助けてあげられる人になってほしいな、とも伝えました。







チキンなモリや、トゲトゲ娘の長女が
すぐに変化するとは思えませんが

隣人に助けてもらったことは胸に深く掘り込まれたはずです。