このブログで2回にわたりお知らせした今年の砂川平和ひろば秋の集会は、本日2023年10月14日㈯、予定通りこぶし会館第一会議室にて開催され、無事終了いたしました。

 

砂川平和ひろば主催 10.14集会        「多摩の水汚染を考える」 チラシ完成 | 砂川平和ひろば Sunagawa Heiwa Hiroba (ameblo.jp)

10.14㈯ 集会「多摩の水汚染を考える」プログラム | 砂川平和ひろば Sunagawa Heiwa Hiroba (ameblo.jp)

 

講師の皆さま、ご来場いただいた大勢の皆さま、ありがとうございました!

 

午後1時開場

  

 

この日のために作られた資料展示パネル

 

 

 

プログラム1 原田浩二氏(京都大学准教授) リモート出演    

         基調報告「PFAS汚染について学びなおす」

 

 

 

 

まとめと今後

 

・PFAS汚染は各地に存在する

・PFAS汚染は把握されていない箇所がありうる

・PFAS使用の履歴と汚染調査がリンクする必要

・PFAS汚染が見られる地域での血中濃度は

 健康リスクを懸念する状況

・難分解性、残留性自体が問題視されている

・曝露経路はさまざま: 

  土壌、食品、日用品も考えないといけない

  企業もFPASフリーに

 

 

 

 

プログラム2 高瀬毅氏(小平在住ジャーナリスト)

         「多摩のPFAS問題の現状と取り組み」

 

 

 

 

 

 

プログラム3 立憲ネット緑たちかわ意見交換会(立川市議会派)

         「立川市の環境問題の歴史と現状」

 

 

 

質疑応答

2回に分けて設けられた質疑応答の時間には、性別も世代も超えた多様な参加者から、積極的な質問が相次ぎました。

オンライン参加の原田浩二さんも最後まで残り、切実な不安の声や行動の指針となるような質問に、一つ一つ丁寧に答えました。

 

 

個人ができることとして、自分の水道水がどこからきているのか水道局のHPによって確認する、PFASの場合は経皮吸収の可能性は低く、飲用水の場合も活性炭などによって除去され得るので浄水器のカートリッジを定期的に交換する、などの対策が可能であることがわかりました。過去、地下水や井戸水などのPFAS汚染によって血中濃度が高くなったとしても、汚染や汚染水の摂取がなくなれば、その改善の程度に応じて体内からも徐々に抜けてゆき、半減期も5年とか10年程度で、50年100年といった長期にわたる恐れはなさそうでした。

 

様々な立場でPFAS問題に関わってきた専門家の方々のお話をとおして、主として以下の点に関する認識を深めることができました。

PFASと総称される有機フッ素化合物は4700種類以上に及び、撥水用などのコーティング剤や泡消火剤の他、各種工業製品・日用品に広く使われている。

もともと1940年代にアメリカの3Mが開発したもので、同社は、PFOS・PFOAの生産を2002年までに自主的に廃止しているが、環境残留性によって、各地で下水や土壌の汚染が深刻になっている。

またPFOS・PFOA以外の有機フッ素化合物は依然として使用されており、日本では2002年、2003年の河川水調査で、多摩川を含む79の河川水のPFAS分布が明らかとなった(PFOAは大阪近辺で高濃度)。

内外の調査結果から航空関連施設周辺での汚染が指摘されているが、2017年には米国の多くの軍施設での地下水汚染が深刻となった。

日本では2020年の普天間基地での泡消火剤流出事故、航空自衛隊那覇基地泡消火剤流出事故などがあり、目に見えた形で基地外への流出や土壌汚染が問題化した。

アメリカ本土ではバイデン政権がPFAS問題に積極的で、検査や水質目標値設定に力を入れているが、在日米軍ではそうした取り組みは進んでいない。

多摩では、以前から「多摩の地下水を守る会」の活動があり、また最近では「多摩有機フッ素化合物PFAS汚染を明らかにする会」が実施した血液検査結果がマスコミで取り上げられ、地方選挙でもPFAS問題への姿勢が問われている。

立川市の新市長はPFAS問題への取り組みを明言しているが、予算を伴う案件には議会の承認が必要であり、市民の声による後押しが必要。

 

立川市議会でも「有機フッ素化合物対策の推進を求める意見書」が採択されたそうです。

立憲ネット緑たちかわ意見交換会の報告から、以下の立川市のサイトで公開されていることがわかりました。

r5ikensyo7.pdf (tachikawa.lg.jp)

 

ひとたび土壌が汚染されれば、徐々に地下水に侵入し、長い年月をかけて人の口から体内に入り蓄積されます。しかしPFASは、それが使用禁止になり、それ以上入ってくることがなくなれば、健康被害が深刻になる前に体内から減少させることは可能なのです。

水質検査や血液検査の重要性、そこで明らかになった問題を認識し原因を究明して対策を講じる必要性を、再認識しました。研究者、ジャーナリスト、地元議員、そして市民一人一人が、それぞれの立場で声を上げ、ともに取り組むべき課題が共有できた気がします。

ただ、そのようなアクターの中で、今回の集会で触れられなかったのが医療機関・医療従事者でした。

多摩地区には、血液検査やPFAS相談など、貴重な役割を担う病院があります。

それを紹介した新聞記事なども含め、近日中にまた関連リンク集をアップしたいと思います。

 

なお、集会当日の記録動画は、後日「砂川平和ひろば」のYoutubeで公開予定です。