1930年代、信仰深い人々が暮らすアメリカ南部の田舎町。
双子の兄弟スモークとスタックは、かつての故郷であるこの地で一獲千金を狙い、当時禁止されていた酒や音楽を振る舞うダンスホールを開店する。
オープン初日の夜、欲望が渦巻く宴に多くの客が熱狂するが、招かれざる者たちの出現により事態は一変。
ダンスホールは理不尽な絶望に飲み込まれ、人知を超えた者たちの狂乱の夜が幕を開ける。
本作は、映画史上初めて、IMAXフィルム(1.43:1)と、
ウルトラ・パナビジョン70(2.76:1)の、
双子の兄弟をマイケル・B・ジョーダンが一人で演じる
アスペクト比を併用した作品だそうで、
ならば、観に行くのは、グランドシネマサンシャイン池袋の、
IMAXレーザー/GTテクノロジー
倍近い画角を絶妙のタイミングで使い分ける、
その大胆な転換がもう「快感」です
その演出の面白さは、
「エターナルズ」(2021年)の、はあ?なカット、
格闘シーンの向き(カット)が変わる度の、あの訳の分からない画角の使い分けとは全く違います
この予告編から分かる通り、
本作はバンパイヤ映画なんですが、
これは後半部分
全編は、ブルースを主体にした音楽映画
冒頭のゴスペルから始まり、一夜のダンスホールに集うミュージシャンたちのピアノ、ギター
時に郷愁を誘い、また大胆に歌い上げる迫力ある歌声とダンス
アイルランド系の貧しい移民のバンパイヤ、レミックがリードするアイリッシュダンスまで披露されます
特に中盤、バンパイヤまで惹きつけてしまうサミーの歌声は、
時空を超えて、エレキギター奏者やらDJやらまでその場に呼び出し、更には京劇の舞踏が始まる
それをどデカいスクリーンにワンカットで映していくカメラが、縦横に動き回る
観ている自分までもが持っていかれそうなその興奮
ラスト、サミーの牧師の父親が、生き残った息子にギターを捨てろと迫るわけです
まさに悪魔のように魅力的な音楽でした
さて本作は、単なるB級ホラー映画ではなく、白人による黒人音楽の文化的搾取構造を巧みに表現した、もののようです
(パンフレットではそれを融合と表現しています)
そんな文化的なもの、歴史的なもの、については、私はチンプンカンプンです
せいぜい、バンパイヤのレリックですら故郷を捨てざるを得なかったイングランドによるアイルランド侵略、新天地アメリカに来ても貧しい移民、その酷さを想像して、ちょっとレリックに同情しかけた程度です
そんな私でも十二分に楽しめた本作
さて、こちらは「罪人たち」の公式サイトですが、
天下のワーナーとは思えないこの簡素な作り
上映館はたった30
本国アメリカでの大ヒットにより(今期アカデミー賞候補?)、「緊急劇場公開」となったため、のようです
下手したら、配信のみ、になっていたかも、です
「緊急劇場公開」して頂き、感謝しかありません
可能ならば、グランドシネマサンシャイン池袋か109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXがベストですが、
とにかく(IMAX)劇場へ
この音と映像、劇場で観ないと勿体ない
絶対お勧めです
ドルビーシネマもいいでしょうか