2000年代半ばくらいから、日本のラグビーのレフリーがマイクをつけて、テレビ放送にその音声を流していた
そんな内容の記述をネットで見つけました
TMO(ビデオ判定)がトップリーグに採用されたのは2009年シーズンからですが、
それより先に、レフリーの音声をテレビで流していたらしい
そうだったのか?
あまり覚えていませんが、それらしき思い出があるような気もしてきました
何か、レフリーが自分たちの音声を聞かれるのを嫌がっていた、
そんな光景が浮かんできます
2019年W杯日本大会のTMO室
ラグビーにTMOが導入されたのは2003年W杯から、当然レフリーマイク(とイヤホン)も導入され、JSPORTSやその他地上波でもその音声(英語)が放送されました
そこからヒントを得て、ラグビーはルールが分からない、そんな声に応えよう、不人気なラグビーに興味を持って貰おうと、
ラグビー協会、NHK、JSPORTS、そのいずれかが声がけして始めたんでしょうか
だからその時はレフリーマイクだけ、だった筈です
上に書いた、嫌がってるな、という状況が浮かんできました
AR(アシスタントレフリー)と協議中、胸元のマイクをギュッと握って、その音声が漏れないようにしたレフリーがいて、
「何、内緒話してるんだい」
JSPORTSを観ながら思ったシーンです
TMOなんてない時代のファウルプレーだったんでしょう
レフリーが一瞬目に写った、その記憶を頼りに判定しなければならない時代でした
因みに、その頃のARはマイクは着けていません
レフリーが見逃したファウルプレーを見つけると、タッチライン際でサッと旗でその地点を指し示し、立ち止まることでレフリーに知らせました
所謂「フラッグイン」です
TMOはありませんが、テレビで観てる視聴者は録画してて、不鮮明ではありますが、スロー再生で確認できちゃう
そこに、自信なさげだったり、何気ない一言がテレビに流れ、
うるさいラグビーファンからラグビー協会に揚げ足取りみたいなメールが届く
更に、「2ちゃんねる」やその他ラグビー掲示板に、こんなメール送ってやったぞ、みたいなことを報告する人間もいる
レフリーの氏名も晒される
わあ、面倒くさい
マイクをギュッとするのも仕方がないでしょうか
時代は降って2010年代半ばくらいからでしょうか
秩父宮ラグビー場内で、
独自の実況解説「秩父宮FM」を流し始めました
解説を担当していた故上田昭夫さん(元慶應日本一監督)
そして、2018年シーズンよりレフリーマイクの音声もFMで流すようになり、
これらを受信する専用ラジオのレンタル、販売を秩父宮ラグビー場内で始めました
私はワイルドナイツを買いました
リーグワンになってからは滅多に見なくなった、困った観客
そんな方が昔はいました
大きな声でベラベラと解説する?時に間違ったことも平気で喋る「知ったか爺さん」
金曜のナイトゲーム、グラウンドに背を向け酒盛りを始める、大勢の動員されたリーマン
そんな方々が近所の席に現れたら災難です
と言って移動するのも面倒くさい
そんな時には、彼らの存在を忘れるため、レフリーマイク音声をノイズキャンセルヘッドホンで聴きながらゲームを観戦する
静寂の中、耳鳴りとレフリーの声だけが聞こえます
TMOとレフリーの遣り取りを聴けると、何故今ゲームが止まっているのかが分かり、待たされてる感がなくなります
レフリー「〇〇だからイエローカードで」
TMO「アグリー」
「アグリー」=”agree"
「同意する」という意味は分かりますが、ずーっと日本語で遣り取りしていて、何故そこだけ英語?なところも楽しめます
難点もあります
スタンドに居るのに一体感がまるで無い
最近の秩父宮はお客さんが増えています
昔のような動員されたスーツ姿では無く、レプリカジャージを着て熱心に応援するファンの方々
歓声、どよめき、嘆息、拍手
その中でヘッドホンしてるのは勿体ない
そんな訳で、最近はFMラジオを聞かなくなりました
レフリーマイクの音声はJSPORTSを観ている時だけです
そこで気づいたんですが、
今はTMOが「アグリー“です”」って言うんです
2019年W杯日本大会の直前、トップリーグでは、まだ「アグリー」でした
それは確かです
2020年代のいつからか、「アグリーです」になりました
2020年10月、ラグビー協会はレフリーのタレント発掘プロジェクトを発表しました
2019年W杯日本大会で、日本人レフリーはAR一人しか採用されなかった、これはまずい、海外で通用するレフリーを育てよう、という訳です
その関係なのでしょうか、ここのところレフリーの若返りが目立っています
技量が足りない、自信なさげ、そんなレフリーがいます
彼らは、やたらとTMOに時間をかけます
同じ映像を繰り返し確認し、TMO担当やARにいちいち確認する
「慎重」ではない、「決められない」
そんな感じです
そんなこんなで、レフリーとTMOの遣り取りがやけに長ったらしく、馬鹿っ丁寧になって、
結果、「アグリーです」になっちゃった
最後は、私の妄想です
まあ、若いレフリーにはキツい環境ですよね
一昔前までは、年金リーグなんて揶揄されたトップリーグ
旬を過ぎた元海外代表が安直に金を稼ぎに来て、偉そうに雑なプレーをしていた
それが今では、シーズンが終われば、オールブラックスやスプリングボクスに戻る現役バリバリが真面目にプレーしている
そんな彼ら相手に笛を吹き、英語で対応し、時にはカードも出さなければならない
気後れするのも仕方がない
それを見透かしたように、あれこれクレームをつけて、レフリーをコントロールしようとするプレーヤーが出てくる
言語のせいもあるでしょうか、外国人より日本人プレーヤーのクレーマーが多いかもしれません
さて、冒頭に紹介した戸田レフリーですが、
彼は判定にツベコベクレームをつけるプレーヤーにも遠慮なく笛を吹きました
ペナルティの笛→ツベコベ→再度、笛→10mの罰退
戸田さんは右手をパクパクさせて「喋り過ぎ」のサイン、そして両手で追うように「10m下がって」
これでいいんです
皆無とはいいませんが、レフリーのせいで勝敗がひっくり返る、そんなゲームはまずありません
レフリーにあれこれ言う前に、自チームのことを考えた方がいい
こんなふうに
最後に、ラグビー関係者はレフリーを守り育てる、その立場を堅持して欲しい
そう思います
まあ、私はちっちゃな声でレフリングにブツブツ文句を言います
そこは許してください