今年2月に公開された、タイカ・ワイティティ監督作品

「ネクスト・ゴール・ウィンズ」

 

Disney +で見放題配信中

 

2002年日韓W杯予選で、0-31という最多失点記録を作った米領サモア。

その後も1ゴールも決められていない米領サモアチームに、また予選の時期が迫っていた。

 

新コーチに渋々就任した破天荒な性格でアメリカを追われたトーマス・ロンゲンは、厳しいトレーニングで立て直しを図るが…。

 

キャリアも人生もどん底な鬼コーチと1勝どころか1点すら難しい世界最弱チーム、果たして奇跡の1勝はできるのか!?

 

 

 

 

 

2014年W杯ブラジル大会予選で初勝利を上げた米領サモアチームの実話をもとにした、コメディ映画です

 

タイカ・ワイティティ脚本、監督作品ですし、

勝利云々だけではなく、

コーチ自身の謂わば再生物語のようなお話でもありますので、

必要以上なポンコツチーム描写もお約束でしょう

 

 

こんな映画も思い出しました

船橋にあったドライブインシアターで観た「クール・ランニング」(1994年日本公開)

 

 

でもね、

おふざけが過ぎた描写や必要以上に盛ったゲーム展開は、

面白いよりシラけてしまう

 

取ってつけたような御涙頂戴的な裏話も出てきて、

そんなエピソード一つでチームが強くなれるなら、

誰も苦労はしないだろ、なんて突っ込みも入れたくなります

 

 

 

そんなこんなをぶうたれていて見つけたのが、この映画の元ネタとなったドキュメンタリー

「ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦」(原題"Next Goal Wins"2014年)

 

「31」の壁を超え—必ず勝つ! 

−津波で傷ついた国民のために、不屈の魂で勝利を目指す!

− 2001年、FIFAワールドカップ予選にて0対31でオーストラリア代表に大敗(国際Aマッチ史上最大点差)、 公式戦30戦では200ゴール以上の失点&全敗、10年以上にわたりFIFAランキング最下位、まさに“世界最弱”、それがアメリカ領サモア代表チームである。

この島国は2009年に発生したサモア沖地震により、大きな被害を受けたことでも知られている。

最弱と呼ばれた選手たちは、大敗で心に傷を負ったゴールキーパー、24時間女性として生きるディフェンダー、軍人として家庭を養うフォワードなどアマチュアの寄せ集め集団。

そんな彼らのもとに、米国サッカー連盟より命を受けたオランダ人監督がやって来る。

優秀だが、昔気質で口の悪い監督は、瞬く間に島の反感を買うことに。

しかし、その厳しい指導と熱意は次第に選手たちの意識を変え、チームは少しずつ強くなると同時に、監督自身も彼らから刺激を受けていく。 

そして迎えた2014 FIFAワールドカップ・ブラジル大会予選。

津波で傷ついた故郷のため、支えてくれた人々のため、魂と誇りをかけて試合に挑む!

彼らは過去を乗り越え、初勝利を掴むことができるのか?

南太平洋に浮かぶ小さな美しい島で起きた、熱狂と興奮の感動ドキュメンタリー!
 

 

 

 

このドキュメンタリーでは、製作者が、

代表選手たちをリスペクトしていることが伝わってきます

 

全員アマチュアで、働きながら、苦労して練習時間を作り、

サッカーが好きで、仲間が好きで、

津波で傷ついた島の人々を勇気づけたい、

あの0-31の呪縛から逃れたい

 

そんな代表選手たちを勝たせてやりたい、と、

奮闘するHCのロンゲン

 

 

そして、

FIFA史上初のトランスジェンダー代表選手、ジャイヤ・サエルア

サモア諸島では「ファファフィネ(第三の性)」は普通に受け入れられているそうで、特別視されることもありません

「普通にチームにいる」代表選手の一人

いいですね

 

ジャイヤ・サエルアとタイカ・ワイティティ

 

 

このドキュメンタリーを観ると、

タイカ・ワイティティも苦労したんだろうな、

なんて思えてきます

 

何しろ面白いんです

本物がリアルに闘って、勝利しているんです

もう少しで一次予選も突破しそうだったんです

 

ウォークライのシーンも泣けてくるほどいいんです

 

 

こんな傑作ドキュメンタリーを元ネタにコメディ映画を作るなんて無謀な試みだった、

そう言わざるを得ません

 

偉そうにど素人が何を下らないことを書いているんだ、

そうかもしれませんが、

U-NEXTに加入している方、是非ご覧になって下さい

 

お勧めします