私の夢は、国鉄で機関車を運転することでした
幼い頃、客として乗っていた気動車の後部運転席に、
車掌さんが招き入れて警笛を鳴らさせてくれました
走行中にも関わらず、
ペダルを踏んで、パパ〜ンと鳴った時の感動、
忘れません
昭和30年代のローカル線は、職員も客もおおらかでした
森田芳光監督初作品、
「の・ようなもの」を面白いと感じた方にお勧め出来るのは、
森田芳光監督の遺作、
私のお気に入りBlu-ray
「のぞみ地所」の社員、小町圭と「コダマ鉄工所」の二代目、小玉健太はともに鉄道を愛する者同士。
ふとしたきっかけで出会った二人は、すぐに仲良くなる。
住まいにもトレインビューを追及する小町は、コダマ鉄工所の寮に入るが、やがて転勤で九州支社に行くことになった。
九州には、のぞみ地所がなかなか口説けない大手企業「ソニック・フーズ」の社長、筑後がいたが、鉄道ファンだったことから小町や小玉と意気投合、事態は好転。
ところが、小町も小玉も、恋のほうは趣味や仕事のようにはうまくいかず‥
ジャズに浸って恋人の存在を忘れる小町と、
モーター音が大好き、真面目でいい人なのにモテない小玉
鉄道ファンが主人公ですから、
様々な鉄道が出てくる楽しい映画です
しかも、
登場人物も企業名も全部特急列車の名称だし、
間がもたないようにも見える独特な会話のテンポ
道端なのに画面の下からコーヒーカップが出てくる、とか、
いちいち不可思議な効果音
突如本編とは無関係な小芝居が背景に出てきたり
そこが面白くニヤニヤしてしまいます
とにかく、
善人しか出てこないあり得ないお話で、
ご都合主義過ぎる人々の出会いがハッピーエンドに繋がる
まあ二人は失恋しちゃうんですけどね
お見合いを断られ傷ついた小玉くんが飲む、
練乳たっぷりイチゴミルクみたいで、
まあちょっぴりビターな風味もある作品です
この映画を撮った直後、
2011年12月に急逝した森田芳光監督です
まだ61歳の若さでした
こんな映画をもっと撮って欲しかったですね
エンドクレジットの最後は「ありがとう、森田芳光」です