ドキュメンタリー
シックス・ネーションズ フルコンタクト」8エピソード
2023年ラグビー欧州6カ国対抗戦(2〜3月開催)
昨年のラグビーW杯フランス大会(9〜10月)の前哨戦と言われ、
北半球が強いというもっぱらの評判に、
ここで優勝する国がW杯も制するか、とも言われました
そのゲームと舞台裏を、
結構生々しく記録したドキュメンタリー「シックス・ネーションズ フルコンタクト」
第5話はフランス
第2節アイルランドに19-32で負け、
連勝が14で止まったフランス
フィジカルで負けた、と選手、コーチは項垂れました
次のゲームは2連勝した好調のスコットランドを、
地元スタッド・ド・フランスに迎えます
ディフェンスの隙を狙うスコットランド
フェイントが得意な曲者フィン・ラッセルには要注意
ゲームは、
序盤から両チームFWにヘッドコンタクトによるレッドカードが出る荒れた展開
前半を22-7とリードして終えたフランス
後半スコットランドに4点差まで追いあげられるも、
最後は13番フィクーのだめ押しトライで32-21と逃げ切りに成功
今回の主役はCTBガエル・フィクーです
貧困層が住む集合住宅に生まれたフィクー
若者が暇潰しにドラッグの売人になる、そんな環境で育ちました
そんなフィクー兄弟を守ったのは、ラグビーと両親
「収入の三分の一を教育費やラグビーに使ってくれた」
2012年、18歳で代表に選出され母親に連絡するフィクー
嬉しそうな母の声
残念ながら、その母は病で亡くなりました
フランス代表ディフェンスコーチのショーン・エドワーズ
第1期ガットランドHCの下、
ウェールズ黄金期のディフェンスを鍛えたエドワーズ
エドワーズは、フランスの未来を背負う選手と期待し、
フィクーにディフェンスキャプテンを任せてきました
「フィクーはナチュラル・ボーン・リーダーだ」
スコットランド戦ではミスが多過ぎた、と、
顔をしかめるフィクーは、
コーチとビデオを見返し、チームの意思統一を図ります
一方で、無邪気にチームメイトとじゃれ合う姿も見せるフィクー
第4節はイングランド戦
敵地ロンドン、トゥイッケナムに乗り込むフランス
ディフェンスコーチのエドワーズの指示はシンプルです
自陣にボールが来たら蹴り返せ
自陣でもたつくな
イングランドのゲームキャプテンを任されたエリス・ゲンジ
ゲンジは、キャプテンとして先頭で引っ張る、と抱負を語ります
ゲームは開始2分、フランスの先制トライで動き出しました
その後もフランスは手を緩めず、
前半を27-3とイングランドを圧倒します
自分のプレーに自信を持てなくなり、(キャプテンとして)感情的になることが許されない状況にイラつくゲンジは、
ハーフタイム、ベン・オキーフ レフリーに八つ当たり気味な質問をし、たしなめられます
「レフリーの判定に意見すべきではない、OK?」
後半もフランスの猛攻は続き、
53-10と敵地トゥイッケナムでの歴史的大勝に、
ガルティエHCは一生忘れられないゲーム、と語り、
エドワーズコーチは想像も出来なかった、と、
Netflixのインタビューに答えニッコリします
人生はチャンスに満ちている、
自分の物語を書くために人は生きている、
そんな言葉を残して、
フィクーは穏やかに挨拶し去って行きました
勝敗に一喜一憂する、
いや、勝ってもどこかに自分たちの粗を見つけては、
深刻に額を突き合わせる選手やコーチ陣
それだけシックス・ネーションズの重圧は厳しい、
ということでしょうか
初戦イタリア戦はペナルティが多く接戦となってしまい、
次のアイルランド戦はフィジカルで圧倒された
スコットランド戦はミスで危ういシーンもあった
それだけに、
イングランドに大勝して初めて見せた笑顔
まだ優勝を諦めないフランスです
最終節ではどうなったのでしょうか
続きます