今年2月にリバイバル公開された、2014年製作の韓国映画

「最後まで行く」はヒリヒリするようなクライムサスペンス、

ではなく、なかなかコミカルな作品です

 

Netflix、アマプラなどで配信中

 

 

殺人課の刑事ゴンスは、

母の葬儀を抜け出し車で警察署へと向かっていた。

 

急遽署内に監査が入る事になり、

ゴンスは収賄の証拠を隠さなければならなかった。

しかし、無謀な運転が仇となり誤って通行人を轢いてしまう。

なんとか隠蔽しようと考えたゴンスは、

死体を持ち帰り母の棺桶に入れて一緒に埋葬する。

 

そして数日後、

警察内部でこの被害者不明のひき逃げ事件に対する捜査が始まり、あろうことかゴンス自身が事件の担当となってしまう。

そんな中、謎の男からゴンス宛てに電話が入る。男は電話口で囁いた。

 

「お前が殺した事を知っている―。」

 

 

 

イ・ソンギュン演じる悪徳刑事ゴンス

 

 

 

押収した数トンもの麻薬を売り捌き、裏社会で大物になった、

敵役パク・チャンミン警部補(監察官)がゴンスを脅す

185cmのガッシリした体格で腕っぷしが強く、

躊躇いなく人を殺す

妙に馴れ馴れしい笑顔が不気味

 

 

実は、

パクの手下イが裏金の個人金庫の鍵を盗んだ

イはゴンスに轢かれる直前、パクに撃たれていた

イの体内に鍵を残したまま、ゴンスは死体を隠してしまった

 

 

 

韓国版をほぼなぞった仏のリメイク作品「レストレス」

Netflixで配信中

 

 

スキンヘッドに髭が似合う主人公トマは、

 

 

麻薬課課長のマレリ警部に脅される

 

 

韓国、仏とも、遺体を火葬にしません

 

死体の秘密を知って、

亡き母に御免なさいと詫びながら深夜の墓荒らしをする

 

 

そして、そこから主人公の反撃も始まります

 

遂に敵役は主人公に殺され、

一連の警察官の悪行は上層部の知るところとなります

 

 

上層部は不祥事の大きさに困惑

全てを隠蔽することに

 

 

主人公は退職

心を入れ替えて真面目に暮らそうと決意したのですが、

ひょんなことから個人金庫の鍵が手に入ってしまいました

 

 

ラスト

銀行の金庫のようにデカい個人金庫に札束の山

バッグ一つを手にしてやって来た主人公は、

その前で呆然と立ちすくんでいます

 

 

 

さて、東宝映画「最後まで行く」です

ヤクザとの腐れ縁が断ち切れない刑事、工藤(岡田准一)と、

県警本部長の娘婿、監察官の矢崎(綾野剛)

 

 

 

手下が撃たれて轢かれる、

そこは韓国オリジナルと一緒ですが、

日本は火葬なので時間の制約が

 

更に、

裏金は宗教法人と手を組んだ県警本部長のもの

それを横取りしようとヤクザの組長が画策し、

登場人物たちが操られていた

 

そんな話に変わっています

 

 

県警本部長は逆上した矢崎に殺され、裏金はやくざの懐へ

警察上層部は不祥事に気付かず、隠蔽もしない

 

只々、工藤と矢崎が殴り合い、

ボコボコの顔でニヤリと笑って車を並走して走り去ってしまう

 

えっ?「最後まで行く」ってそう言うこと?

唖然とするしかないラストではありましたが、

 

オリジナルよりコメディ要素多めの本作

 

岡田准一、綾野剛の熱演と、

そのトリッキーな罠の面白さを楽しめば、

少々大きめの粗には目をつぶってもいいでしょう

 

そして、タイマー爆弾まで自作してしまう、

柄本明演じる仙波組長の顔芸は、

紫綬褒章(2011年受賞)に相応しいものではありました