も一つ続きです

 

フジテレビにとっては誤算だったと思われます

財団を強引に解散し楽器を売り払い、

フジテレビ内の練習場を封鎖し事務所の電気も止めて、

小澤征爾や山本直純が新日本フィルを立ち上げれば、

残されたメンバーは消えてなくなる、はず・・・

 

しかし、マスコミがオーケストラを解雇した、

ことへの批判は大きく、多くのクラシックファン、日本フィルファンが様々なボランティア活動で日本フィルを支えました

 

楽団員も市民のなかに出かけて演奏し支援を訴える、

その活動が更にファンを増やしていきます

定期演奏会を継続する、全国各地で演奏会を開く

「市民とともに」を合言葉にオーケストラとして自主運営を継続していきました

 

自主公演を妨害された時期もありました

まず日本人指揮者を「日本で指揮できなくなるぞ」と実力者を使って脅す

新しいオーケストラを作って、地方公演の近所で似たようなプログラムの演奏会を廉価で開く

 

よくテレビの音楽番組にも使われていた若いオーケストラを指して、これがあの妨害していたオケだよ、

と教えてくれたのは、

音楽好きで私を支援活動に誘った友人でした

 

一番の支援は何ですか?と楽団員に尋ねたら、

それは日本フィルの演奏会に聴きに来てくれることだよ、

とのこと

 

それでは、ということで、

私も定期会員になり、更に良さそうな演奏会のチケットを買っては、職場の人に売ったり、時にはタダで配ったり

 

支援活動の一つとして、

解雇〜分裂、そして自主運営の奮闘を描いた映画が作られました

「日本フィルハーモニー物語 炎の第五楽章」(1981年)

 

このチケットもせっせと職場で売って回ったものでした

上映館は都内ではテアトル新宿だけだったと思います

 

詳しくはこちらを

 

 

1972年にフジテレビを訴えた不当解雇撤回訴訟は、1984年、

フジテレビが解決金を支払うことで和解が成立

 

1985年日本フィルは財団を再建し今日に至っています

 

 

かつて日本フィルの公式サイトには、

この活動の記録のページがあったのですが、

今では見られなくなったようです

 

現在活動している楽団員には邪魔な歴史なのかもしれません

 

残念ですね

 

今は大巨匠のエリアフ・インバルが、50年近い昔、

ハンドマイクを持って聴衆に話しかける写真もあったりして面白かったのですが

肖像権とかも引っかかりますかね

 

そのインバルの逸話とか、

新宿区にあったフジテレビ旧社屋での酒盛りとか、

いつかまたブログに書いてみたい、と思います

 

 

 

 

 

オーケストラの話を書いていたら思い出しました

 

「オーケストラの少女」(1937年)